こんにちは、スズケーです。
2020年も2月に入り、
そろそろ「今年のゴールデンウィークはどこ行こう?」って考え出している方もいるのではないかと思います。
パキスタン、特にフンザは3月末〜4月上旬にその年最初の観光シーズンを迎えます。
杏の花の見頃を目的として訪れる方がほとんどです。
昨年に続き、今年も寒く雪の多い冬のようなので、
もしかしたら昨年同様、杏の花の開花も遅めになるかもしれないですね。
4月末〜の日本のゴールデンウィークの時期は、
連休と有給休暇を使って、1〜2週間でフンザだけを目指してくる日本の社会人旅行者が集まります。
昨年もみんな、同じ時期にやってきて、同じ時期に去っていきました…
ゼロポイント付近のゲストハウスをチェックすると多分日本人に出会えます。
今年もきっと、ゴールデンウィークにはたくさんの日本人がフンザに行くのだろうなぁ…と思うのですが。
ただちょっと、今年は気をつけた方がいいことが。
2020年のゴールデンウィークは、ラマダーンがまるかぶりです!
目次
イスラームの断食月・ラマダーン

ヒジュラ歴
イスラームには、ヒジュラ歴と言う、イスラーム社会で使われる暦があります。
太陰暦なので、太陽暦の西暦とは毎年11日ほどズレが生じます。
イスラームを国教とする国や、ムスリムが多い国では、ヒジュラ暦に基づき祝祭日が決められていることも多いです。
同じ年のヒジュラ暦に基づく祝日でも、地域によって月の見え方が異なることから、国や地域事に1〜2日、日にちがズレたりすることもあります。
宗派によって異なるイベント事などもありますが、
巡礼月にあるイード・アル=アドハーと断食月明けのイード・アル=フィトルは、全てのムスリムに共通する一番大きな祝日です。


- 1月 ムハッラム(Muharram)
- 2月 サファル(Safar)
- 3月 ラビーウ・アルアウワル(Rabi’al-‘Awwal)
- 4月 ラビーウ・アッサーニー(Rabi’al-Thani)
- 5月 ジュマーダー・アルウーラー(Jumada al-Ula)
- 6月 ジュマーダー・アルアーヒラ(Jumada al-Akhira)
- 7月 ラジャブ(Rajab)
- 8月 シャアバーン(Sha’ban)
- 9月 ラマダーン(Ramadan) 断食月
- 10月 シャウワール(Shawwal)
- 11月 ズー・アルカアダ(Dhu al-Qa’da)
- 12月 ズー・アルヒッジャ(Dhu al-Hijja) 巡礼月
- 1月10日 アーシューラー(フサイン殉教の日、シーア派の行事日)
- 3月12日 マウリド・アンナビー(預言者ムハンマドの生誕祭)
- 7月27日 イスラー・ワ・ミーラージュ(預言者の天国昇天)
- 9月 ラマダーン月(断食月)
- 10月1日から イード・アルフィトル(断食月明けの祭り)
- 12月9日 ウクーフ(巡礼(ハッジ)の中心的行事)
- 12月10日〜 イード・アルアドハー(犠牲祭)
※日付はヒジュラ歴の月日
ラマダーン

ラマダーンは、ヒジュラ歴で言う9番目の月のこと。
ラマダーン月は、預言者ムハンマドにクルアーンが啓示された月だと言われていて、ムスリムにとっては祝福に満ちた聖なる月とされています。
ラマダーン=断食と思われていたり、会話の中でそういったニュアンスで使われることも多いですが、
ラマダーンはあくまでもヒジュラ暦における月の名で、断食のことは「サウム」と言います。
この月の日の出から日没までの間、ムスリムは実行すべき五つの義務の一つである「断食(サウム)」を行います。
ラマダーンの断食は、日の出から日没にかけて一切の飲食を断つことで自制心を強め、
空腹や自己犠牲を経験して飢えた人や平等への共感を育んだり、
共に苦しい体験を分かち合うことで、ムスリム同士の連帯感が高まるのだそうです。
単に飲食を断つだけではなく、喧嘩や悪口や闘争などの忌避されるべきことや、喫煙や性交渉などの欲に直結するものも断ち、自身を清めてイスラームへの信仰心を強めるのも重要で、
クルアーンを読んだり、寄付や施しをしたりすることが推奨されています。
全ての人が必ずラマダーン月に断食をしなければならないというわけではなく、
旅行者や重労働者、妊婦・産婦・病人、乳幼児、老人、精神的に不安定な人など、やむを得ない事情のある場合には断食を免除されます。
断食を出来なかった分は、後からやれなかった分の断食をやり直すことで義務を遂行したとされます。
その他にも色々細かくルールがありますが、細かいところまで興味がある場合は、最寄りのモスクなどで訊ねてみるといいと思います。
ラマダーンについて説明している、かわいい絵本もありますよ!
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2020年は、4月23日前後からがラマダーン月。
つまり、今年のゴールデンウィークは、ラマダーンがまるかぶりなのです!
とあるパキスタン人の友人はラマダーンでも断食をしないのですが、なんでしないの?と聞いたら、
「ラマダーンはただ断食をするだけではなく、身も心も清く保ちつねに心に信仰を置いて生活してこそ意味がある。
でも自分は、いつどんな時でも目の前に女性がいれば”いい尻だな”って思ったり、”なんとかして落とせないかな”って考えてしまったりして、
断食だけしても意味がないので、断食しないのだ。」
と言われました。
ここまで開き直られると清々しかった。
パキスタン旅行とラマダーン

パキスタンはイスラームを国教とする国ですし、国民の大半がムスリムなので、
ラマダーン月にはパキスタンのほぼ全土で人々が日の出から日没までの断食を行います。
ラマダーン期間中は外資系のレストランや大きなフードチェーン店を除き、
ローカル向けのレストランなどは、日中は店を閉めてしまいます。
今年のゴールデンウィークにパキスタンに行く方は、このラマダーン月を体験することになります。
外国人旅行者とラマダーン
ムスリムではない私達日本人旅行者が日中に飲食をすることはもちろん禁止されてはいませんが、そもそも開いている飲食店が少ないため、食事がとりづらくなります。
ちょっとしたお菓子やパンが売っているお店なども、夕方まで開かなかったりするので、前日の夜にベーカリーなどでパンを買っておいたり、フルーツを用意しておくなど、
軽く準備しておくと便利です。
明らかにムスリムでないであろうと思われる外国人が、日中に飲み食いをしていても文句を言われることはまずありません。
(「目の前で飲食するのはやめてほしい」と言ってくる方もごく稀にいますが…)
むしろ、気にせずどうぞとお茶やジュースを勧めてくれたりもします。
ただ、私自身はわざわざ見せびらかす必要もなかろうと、断食をしている人の前で堂々と飲食をしないようにはしています。
暑い中バザールをうろついてる時とかは、お店の奥でちょっとお水を飲ませてもらったりはしますけど。
飲食関係以外のお店でも、夕方まで閉めてしまうところもあるため、
ラマダーン期間中のパキスタン旅行は、日中はちょっとつまらない…と言うか、いつもより少し静かなパキスタン体験となるかもしれません。
ラマダーンのフンザ

フンザの人の多くが信仰しているイスラームのイスマイリー派。
イスマイリー派の人々は、断食をしてない人も多くいます(ここ最近は、断食している若い女の子が増えていますけど)。
「ラマダーン月に食事を絶つのではなく、いつも心と精神に斎戒を」だそうです。
ただ、フンザでも以前より何かと取り締まりが厳しくなり、
ラマダーン月の日中に食事を提供する飲食店やホテルは、許可証をとらなければいけなくなったりしているし、
開いているお店もシャッターを下ろしてこっそりひっそり営業しています。
他の地域に比べれば、ラマダーンの影響は少ないものの、
「いつもと全く同じ」とは思わない方が良いかと思います。
ラマダーン中のパキスタンの楽しみ方

ラマダーン中は、日中閉まっているお店が増えることで、旅行しにくいかなぁと感じるかもしれませんが…
ラマダーンには、ラマダーン中ならではの楽しみ方も!
断食のため、日中の街中はいつもよりも活気がなくなりますが、その分日没後はにぎやかになります!
ちょっとお高めのレストランなどだと、
イフタールと言う断食を解く食事のスペシャルメニューやビュッフェが用意されていることも。
断食が解ける時間が近づくと、バザールからはすっと人気がなくなります。
お店をのぞくと、みんな、フルーツや軽食、飲み物の用意をして日没を知らせるマグリブ(日没礼拝)のアザーンが響くのを待っている。
ただ通りがかっただけなのに、こっちに来いとイフタールにお呼ばれしたりすることも多いです。
パキスタンに知り合いがいる場合は「今日はうちにイフタールを食べにきて!」とあちこち引っ張りだこになったりするかもしれません。
飲食店以外のお店も、通常より若干遅くまでやっていたり、セールをしたりしているので、そういったお店を覗いてみるのも楽しいです。
確かに、日中の飲食は不便にはなりますが、ラマダーンならではって言うことも色々あるので、
興味があれば、あえて、ラマダーン中のパキスタンに行ってみるのもいいと思います!

春〜ゴールデンウィークのパキスタン旅行手配はお早めに!


春の杏の花のシーズンも、ゴールデンウィークも、
ツアーの予約や航空券の手配はそろそろ始まっています。
特に春の杏の花のシーズンのフンザへのツアーはやっぱり人気で、
そこそこの料金のツアーでも、結構な人数の方々が参加して、フンザを訪れています。
フンザへのツアーを取り扱っている旅行代理店はいくつかありますが、
興味あるな〜という方は、早めに問い合わせることをおすすめいたします〜。
ツアー旅行と個人旅行の違いに関してや、持っていった方がいいものなどの旅行準備に関してはこちらをどうぞ!


個人旅行派の方は、今すぐ航空券のお値段をチェック。
予定が決まっているなら、早めに押さえた方が、航空券もお安めです。
フンザへのツアー旅行は、日本で手配すると40万円前後しますが、現地の旅行代理店に頼むともう少し安くなります。
ご希望の方はスズケーの友人らのやっている、現地旅行代理店を紹介します。
紹介できる代理店は、イスラマバードにある旅行代理店とフンザにある旅行代理店の2つ。
イスラマバードにある旅行代理店は、元々日本からのツアーも多数受け入れている大手旅行代理店で日本語ガイドをしていた方が独立開業してやっています(日本語成績優秀者で来日したこともあり、パキスタン地震の際には日本の自衛隊の通訳もしていました)。
紹介を希望される方はメールフォームからお問い合わせを!
私は紹介するだけですので、その後のやりとりなどはご自分でしてくださいね。
それ以外の旅行関連のご質問は、該当記事のコメント欄でお願いします。
誰か連れてってください(●´v`人)

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治安、旅行ガイド、両替やATM、フンザへの行き方など、ブログ内のパキスタン旅行や滞在に関する必要情報・便利情報をまとめた目次(サイトマップ)です。

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アンズの花がきれいだね。心がなごむよ。
>ひろさん
木がいっぱいあるせいで、花粉症の友人とかは大変そうにしていたけどね(笑)