こんにちは、スズケーです。
ふとしたことを思い出したので、メモ。
あくまでも私の私見。
NGO運営のコンピュータースクールにダメだし
昔、とあるボランティア団体の主催するイベントに参加して、
パキスタンのNGOの代表の方(パキスタン人)から活動の話を聞きました。
その団体では、宗教マイノリティで差別を受けて就職がなかなかできない人や
学校に行けなかった人、女性などを対象に職業訓練をやっていて、
今はコンピュータスキルを教えるのにも力を入れてると説明してくれました。
それに対して、イベントに参加していた50代くらいの日本人女性が
自分たちの伝統や文化とかを活かして工芸品を作るとか、そういうのを教えるべきじゃない!
って言い出した。
彼女はこの発言をきっかけに、
自国の文化を大切にすることの重要さや、それについて学ことの必要性を語り、
コンピュータスキルを教えるスクール運営に対してはかなり強くダメ出しをして、
パキスタンのNGOの代表の方は返答に困ってしまってた。
理想論と現実は違う
こういう発言は、
そのスクールに通っている人たちの現状や、その国について知らない人の
一方的な理想論でしかないよねって思う。
もちろんパキスタンには、いろんな文化や伝統があり、工芸品や民芸品だってあるけれど。
そういうのって、代々その仕事に携わっている人や、子供の時からその仕事を見てきた人がすでに現場にいて、
大人がゼロから勉強・技術習得を始めたところで、さっくり稼げるようになるものではないわけです。
伝統的な手法を使って民芸品を作って売ると言うのは、
奥が深い仕事だし、とても素晴らしいことだと思うけど、
それを頑張って作っても、買ってくれる人がいなければ収入にならない。
収入がなければ生きていけない。
日本だって同じで、着物の京友禅職人や伊勢型紙職人はどんどん減ってる。
着物の京友禅や伊勢型紙の技術は、本当に美しくて素晴らしい技術だけれど、
今の日本は着物の需要が圧倒的に少なくて、売れない。
職人さん達もそれだけでは生活ができない人が増えているし、
そういう現実を見れば、職人になりたいって人だって減っている。
パキスタンはインドに比べて、
観光客も少なければ、ビジネスとして工芸品を制作依頼・購入していく外国人も少ないです。
頑張って民芸品を作っても、せっかく作った商品が売れなければ、テンションも下がるよね。
このNGOが運営するスクールに来るのは、
今現在仕事のない人々で、
自分のために、家族のために、早く稼ぎたいと思っている。
学ぶのにものすごく時間がかかるうえ、
売れるかどうかもわからないような工芸品制作スクールは、
彼らの求めるものであるとは思えない。
彼らが求めているのは、自分たちの文化を学ぶことでも活かすことでもなくて、
「生活していくためにコンスタンスに稼ぐための力・技術」なんだから。
そういう希望を否定するなんて、私にはちょっとできないな。
コンピュータースクールにダメだしをした日本人女性(英語できない)と、
コンピュータースクールを運営するNGOの代表のパキスタン人(日本語できない)とは、
言葉の問題があって、代表の方がうまく答えられなかったので、
上記のようなことを「あくまで私の私見ですけど」って伝えたんだけれど、その女性がそれで納得したかどうかは知らない。
持てる者のエゴ
住むところや食べ物、仕事、ある程度楽しんだり貯金できたりする程度のお金。
それら全てを持ってる人が、
「パソコンなんて無機質なモノではなくて、もっと伝統とか文化を学べ」
って、暮らしに困っている人・生活を向上させたい人に言うのって、エゴでしかないよね。
かくいう私も、そのスクールで職業訓練を受けている人たちから見れば
生活に困らずのほほんと暮らしているお気楽な外国人なわけで、
彼らの気持ちとか考えとかが、全部わかるはずないんだけど。
でも、見て、知って、考えたいとは思ってる。
お読みいただきありがとうございました!
コメント欄はちょっと下にあります。承認式ですが、コメントはお気軽にどうぞ。
パキスタン、フンザ旅行に関する情報記事の一覧はこちらから!
治安、旅行ガイド、両替やATM、フンザへの行き方など、ブログ内のパキスタン旅行や滞在に関する必要情報・便利情報をまとめた目次(サイトマップ)です。
デザイナーとライターをしています。お仕事のご依頼やご相談もお気軽に。