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ペシャーワル 語り部の街・キッサハーニーバザール

ペシャーワル 語り部の街・キッサハーニーバザール
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こんにちは、スズケーです。

以前、パキスタンに縁のあるインド映画スター達をご紹介しました。

シャー・ルク・カーンやアミターブ・バッチャン、リティック・ローシャンなど、
日本でも複数の作品が公開されていて、ファンもたくさんいるボリウッドの大スターのルーツが、実はパキスタンにもある…ということで、
へぇっ、と驚かれた方もいるのでは。

パキスタンとボリウッドスター
パキスタンとボリウッドスターパキスタンとインド映画俳優(ボリウッドスター)の関係について。 パキスタンにルーツを持つボリウッドスターの紹介。...

インド映画俳優さん達のルーツからも、パキスタンとインドはやっぱり一つの国だったのだな…というのは実感できるし、
ならば尚更、もうちょっと仲良く出来ないものかな、と思ったりするのですが…

政治的な兼ね合いを考えると、そうそう簡単にもいかないのでしょうね。

実は現在、ボリウッドスター縁の地として注目されている場所が
パキスタンのペシャーワル(ペシャワール)にあります。

 

語り部の街・キッサハーニーバザール

キサハニバザール

パキスタンにある、ボリウッドスター縁の地。
それは、ペシャーワルの旧市街にあるキッサハーニーバザール(Qissa Khwani Bazaar)!

スズケー
スズケー
カタカナ表記をどうしようか悩んだのですが、ペシャワールにお住まいだったパシュトゥー語も出来る方にも相談して「キッサハーニーバザール」と表記する事にしました。
アルファベットのスペルは「Qissa Khwani」で「キッサ・カワニ(クワニ)」なのですが、「KH」の音を「カ」ではなく限りなく「ハ」に近い感じで発音するのがパシュトゥー語の特徴。
私自身は「キサハニバザール」と、もっとサクッと言う事が多いです。

キッサハーニーバザールは、大昔に、
語り部、ちょっと格好良く言うと吟遊詩人らが集まる場として知られていた古い通り。
現在は生活用品を扱う店の並ぶ普通のバザールになっていますが、
当時の名残か、あちらこちらにチャイやカワと呼ばれるグリーンティーを出す小さな茶屋が点在します。

ペシャーワルには古い歴史的を持つ場所がいくつかありますが、
キッサハーニーバザールもその一つ。

大昔、人々がシルクロードを歩いて旅や商売をしていた頃。
ペシャーワルはシルクロードを巡り歩く商人や探検家、戦士達が集う交易地の一つでした。
中央アジアの至る所から商人達が集まって商いをし、
夜になると一日の仕事終えた人々が、たき火を囲んでカワと呼ばれるグリーンティーを飲みながら、街の語り部の話を聞いていたそう。

語り部達が語る物語は、
時に地元の言い伝えや伝説、ちょっとした恋物語だったり、
旅の情報やルートについて、今起きている戦争の話など、今で言うニュースみたいな事を伝える事もありました。
語り部達は、メッセンジャーとして、当時は欠かせない存在だったそうです。
優秀な語り部が集まるペシャーワルは、商売だけでなく、情報交換のできる重要な交易地となりました。

語り部として活躍する人々が集まる一角は
いつしか「キッサハーニーバザール(語り部横丁)」と呼ばれるようになり、
シルクロード交易の時代から今日まで、変わらぬ賑わいを見せています。

当時活躍していた語り部達はまだわずかにご存命だそうですが、
人々は語り部達から話を聞くという文化に興味を失い、現在は映画やテレビドラマ、インターネットやSNSが人々の新しい娯楽であり、コミュニケーションツールとなっています。
残念な事ですが「物語を口頭で語り継ぐ」という伝統は、消え行くものとなりつつあります。

遥か昔に想いをはせながらお茶を一服

パキスタンの緑茶 カワ(kahwa)パキスタンの緑茶・カワ(kahwa) KPK州を中心に飲まれている

かつてペシャワールの旧市街は16の門のある城壁に囲まれていたそうですが、
現在は城壁は壊され、その名残の門と名前が残るのみ。

旧市街は姿かたちを変えつつも、古い伝統をもつ大市場として今もにぎわっていて、
ドライフルーツ、絨毯、宝石、羊毛や羊皮などが取り引きされる他、
真鍮細工や皮革製品、織物などの伝統的な手工芸品を取り扱う店もあちこちにみかけます。

キッサハーニーバザールも、たくさんいた語り部達は姿を消し、大通りに面した茶屋は派手な看板やネオンをかかげる現代風の店へと変化してしまいましたが、
大通りを外れて迷路のように入り組んだ細い通りに足を運べば、
ハヴェーリーと呼ばれる古い貴族の館や、
シルクロード交易が行われていた時代とほとんど変わってないんじゃない?と思わせるような趣のある茶屋がぽつりぽつりと残っています。

キッサハーニーバザールを訪れ、歴史的建造物を見たり、キャラバンが泊まったのであろう古い宿屋をたずねたり。
お茶屋さんでカワと呼ばれる甘いグリーンティーを床に座って飲みながら、地元の人とお喋りしてみたり。
もしかしたら、昔を知る語り部のおじいさんに出会える事もあるかもしれません。

ぶらっとぶらっと街歩きをするのが好きな旅行者なら、きっと楽しいはず!

キッサハーニーバザールをはじめとする旧市街は、ペシャーワルを訪れたならば、絶対に訪れるべき場所としてお勧めしたいエリアです。

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キッサハーニーバザールとボリウッド

さてこのキッサハーニーバザール、冒頭でも書いた通り、
実はインドのムンバイを中心に作られる、ボリウッドと呼ばれるヒンディー映画のスター達(ボリウッドスター)縁の深い地でもあるのです。

パキスタンとボリウッドスター」の記事でも紹介した、インド映画の有名な俳優さんの何人かが、このキッサハーニーバザール出身!

Shah Rukh Khan
シャー・ルク・カーン(Shah Rukh Khan)
2023年に日本でも主演映画「PATHAAN」が公開された、現代のキング・オブ・ボリウッドと呼ばれるシャー・ルク・カーンの父、ミール・タージ・ムハンマド・カーンがキッサハーニーバザール出身。
現在もいとこをはじめとする親戚が住んでいて、シャールクも何度か訪れている。
キッサハーニーバザールにシャー・ルク・カーンの家があるのは有名。
Raj Kapoor
ラージ・カプール(Raj Kapoor)
インド映画黄金時代を代表する三大俳優の一人。俳優としてだけでなく監督としても活躍した。
1918年から1922年にかけて建てられたカプール家の先祖代々の家は「カプール・ハヴェーリー」として知られ、州政府によって国の遺産として宣言されている。
彼と彼の叔父である俳優のトリロック・カプールはカプール・ハヴェーリーで生まれ育った。
Dilip Kumar
ディリップ・クマール(Dilip Kumar)
2021年に亡くなった、インド映画界で最も尊敬を集めるベテラン俳優。インド映画黄金時代を代表する三大俳優の一人。
1922年にキッサハーニーバザール生まれ。本名はムハンマド・ユスフ・カーン。
1998年にインド人として唯一、パキスタンの文民最高の栄誉であるニシャン・エ・イムティアズ賞を受賞している。
ディリップ・クマールが育ったキッサハーニーバザールの家は、2014年にパキスタン政府が国家遺産に指定。

みなさん、超有名な俳優さんです。

ラージ・カプールとディリップ・クマールは、1947年のパキスタンとインドの分離独立前に
俳優を目指してペシャーワルから、当時すでにエンターテイメントの中心地であったボンベイ(現在のムンバイ)に向かい、そこで成功を収めました。

物語を伝えたり、何かを表現する事が得意なのは「さすが語り部の街・キッサハーニーバザール出身!」なのかもしれません。

実際、ディリップ・クマールは
「自分の俳優としてのキャリアが成功したのは、キッサハーニーバザールに生まれ、幼少期から物語を語る事に身近に触れて学んできたおかげである」
と語っています。

ラージ・カプールとディリップ・クマールはかなり昔の俳優さんなので、DVDの入手などは難しくなっていますが、
amazonのPrime Videoで”Dilip Kumar“や”Raj Kapoor“と検索すると、彼らの映画で配信されているものがいくつか出てきます。
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ボリウッドスター縁の家が、パキスタンの国家遺産に

Kapoor Haveliラージ・カプールの生家、カプール・ハヴェーリー(Kapoor Haveli)

そして今、上記3人のうちの2人、インド映画黄金時代の英雄である、
ラージ・カプールとディリップ・クマールの先祖代々の家を、
博物館として蘇らせようという動きがパキスタンで起きています。

2020年に、パキスタンのカイバル・パクトゥンクワ州の考古学局が、
放置され、荒廃して倒壊の危機に直面していたラージ・カプールとディリップ・クマールの先祖代々の家の購入を決定しました。

これまでこの2つの建物は、国家遺産として指定されているにも関わらず、長年個人所有のままであったため、
取り壊して商業施設を建設する計画などが度々持ち上がっていましたが、
カイバル・パクトゥンクワ州の考古学局は、歴史的重要性等を考慮してそれらの計画を阻止。

有名俳優の生家というだけでなく、
いずれも築100年以上のハヴェーリー(貴族や富豪の邸宅。イスラーム建築の影響を受け、美しい彫刻などが施されている)で、歴史的にも価値がある建造物。
カプール・ハヴェーリーの所有者も、できれば歴史的建造物を取り壊したくないと考え、
カイバル・パクトゥンクワ州の考古学局と連絡をとり、考古学局への売却を提案していて、
その希望が叶った形となりました。

カプール・ハヴェーリーは、ムガール帝国、中央アジア、イギリス植民地時代のデザインの影響を受けていて、ドアやバルコニーには華麗な彫刻が施されてるのが特徴。

長年空き家だったそれぞれの建物は、一部の壁が崩壊し、木材の多くが損傷しており、
現在は修復作業が行われている最中で、修復後は博物館として公開される事になっています。

シャー・ルク・カーンの父親の生家は、現在も人が住んでいるため、そこまでの大きな建物の衰退は起きていないとの事です。

 

ペシャーワル ガンターガル

パキスタンとインド、政府同士の関係はいまいち良くなくても、国民全てが相手国を悪く思っているというわけではありません。
特にパキスタンの人々は、インドの映画の事もとても愛していて、
インド映画界でパキスタンにルーツのある俳優達が活躍しているということをとても誇りに思っています。

ラージ・カプールとディリップ・クマール、彼らの生家の修復が完了し、
博物館として見学できるようになった暁には、
キッサハーニーバザールは、ボリウッド映画ファンであるパキスタン人にとって「聖地巡礼」できるスポットとして注目を浴びるかもしれませんね。

もちろん、私達外国人旅行者にとっても、
インド映画に興味があるならば、
ペシャーワルのキッサハーニーバザールは、パキスタンで行ってみたい場所の一つとして、
外せない観光名所になりそう。

それぞれの博物館としての完成が待ち遠しいです。

 

お読みいただきありがとうございました!
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ABOUT ME
スズケー
フンザ出身のパキスタン人と国際結婚しています。 デザイナーとライターとアーティスト、時々通訳をしつつ、 投資もやってます。 お金稼いでパキスタンと日本とインドと、好きに行ったり来たりしたい。
 
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