こんにちは、スズケーです。
日本にいるパキスタン人は、中古車関連のお仕事など、自営業の方も多いですが、
うちの旦那は日本の工場でお勤めをしています。
今は正社員です。
まれーに「外国人って、日本でどうやって仕事を探すの?」的な事を聞かれるので、
旦那がどうやって今の仕事についたのかを紹介します。
目次
パキスタン人旦那の職探し in 日本
日本語が全くできないまま来日した旦那
私と旦那は、パキスタン・フンザで結婚し、1年程フンザに住んだあと、
二人で一緒に日本に来ました。
旦那はそれが初海外。初めてパスポートを作りました。
日本では、日本語が話せないと生活が厳しいよ、ということは言ってあったので、
フンザにいる間に私がちょこちょこ教えていましたが、
仕事もしていてなかなか勉強に集中する事ができない上に、
やっぱり、私自身がそうだったように、旦那も「実際に他の国に行かないと、別の言語の必要性を実感できず、積極的に勉強できない」感じで。
結局、日本に行くまでに覚えたのは簡単な挨拶程度。
レベルとしては「全く日本語が話せない・理解できない」状態でした。
とりあえず私の実家(マンション)で、私の両親・私・旦那の4人(+犬5匹)での生活が始まったわけですが、
実際に日本に来るとやっぱりわかる「日本語の必要性」。
うちの両親はじめ、周囲の人はみんな英語ができないし英語の看板も少ない。
そして仕事のあったフンザと違い、毎日やる事もないため、
日本語の勉強もジワジワ進むようになりました。
ちなみに、実際に旦那用に買って使ってた日本語のテキストはこれ。
最初は外国人用ではなく、幼児用でひらがなを覚えました。
私の個人的な意見ですが、言葉は「話せればそれでいい」場合でも、文字もセットで覚えた方が学習が進むと思う。
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勉強の方法としては、日本語のテキストを買ってきて、私が見ながら自宅で勉強。
会話だけでなく、ひらがな・カタカナも併せて勉強しました。
その後、名古屋国際センターというところで、年3回募集してる日本語学習教室に週1で通うようになりました。
ボランティアの人達が教えてくれる日本語教室なので、受講料はテキスト代のみの2,000円程度と格安。
私が教えるとどうしてもダラダラしちゃいますが、
「教室」という場所で、「先生」という立場の日本人に他の外国人と一緒に教えてもらうということで、旦那も気持ちをしっかり切り替えて、集中して勉強できてたみたいです。宿題なんかも頑張ってやっていました。
日本語が話せない外国人の仕事探し
旦那は日本に遊びに来たわけではなく、
日本人である私と結婚して、日本を基盤に生活するために日本に来たわけで。
私が旦那一人くらい余裕で養えるようなブルジョア富裕層ならば、日本語の勉強に集中して、ダラダラしていてもらってもかまわないのですが、
残念ながら私の稼ぎは人並みだし、うちの母親がかなり厳しい方なので、大人が家でゴロゴロしているのにいい顔はしない。
すぐに仕事が見つからないとしても、
職探しだけは今すぐにでも頑張っていただかないといけません。
旦那の職探しのために、こんな事をしました。
- 外国人専門のハローワークに登録
- 同国人が集まる場所で情報収集&お願い
- 外国人専門の派遣会社に登録
1)外国人専門のハローワークに登録
日本って、本当に色々便利で親切ですよね〜。
外国人専門のハローワークまであるんですよねっ。
「外国人雇用サービスセンター」という名前で日本中にあるので(ある程度大きな都市のみとは思いますが)、お近くのオフィスを探してみるといいと思います。
うちは名古屋在住なので、もちろん名古屋のハローワーク(外国人雇用サービスセンター)へ。
日本に来てからまだ1週間くらいの時に行ったので、旦那はほぼ日本語ができない状態で行きました。
まずは登録をしないといけないので、在留カードを持っていくのを忘れずに(就労資格があるのかどうかをチェックされます)。
窓口で初めて来た事を伝えれば、登録の仕方や、仕事の探し方を教えてもらえます。
外国人のための施設なので、スタッフはみなさん英語もできます(名古屋の場合、中国語やポルトガル語対応のスタッフもいるようでした)。
英語ができる方ならば、外国人が一人で行っても問題ないと思います。
ただ、求人票によっては、全て日本語で記載されていて英語で書かれていない場合もあったりするので、
可能であれば、誰か日本人が一緒に行くとよりスムーズです。
基本的には日本人向けのハローワークと同じで、ファイルに閉じてある求人票を見て、気になるのがあれば窓口で紹介をお願いする…という形。
求人票には「漢字の読み書き必須」「日常会話レベル」「レベル問わず」などなど、必要となる日本語レベルも書いてあります。
公的機関を通して紹介されるお仕事だけあって、多少お給料は安めだとしても、条件がはっきりしているお仕事が多く、そこら辺は安心。
気になるお仕事をいくつかピックアップして、窓口で紹介をお願いしたのですが…
必要な日本語レベルに「レベル問わず」と書いてある場合でも、窓口の方に確認してもらうとやっぱり
「最低でも日常会話はできないと難しい」と言われてしまう。
結局「まずは日本語の勉強に集中してみた方がいいと思う」とアドバイスされ、
外国人雇用サービスセンターではお仕事を紹介してもらえませんでした…
窓口で対応してくださったおじさまは、ものすごく親切だったんですけどね。
2)同国人が集まる場所で情報収集&お願い
次にやったのは、
同国人、つまりパキスタン人が集まる場所での情報収集と「仕事あったら紹介して〜!」というお願い。
私は結婚前から元々、パキスタン人・インド人の知り合いが多かったし、
彼らがダラダラ集まっているハラールショップにも一人で出入りしていて(お店のインド人のおじさんが友達だったので、仕事帰りにお茶を飲む&世間話をしに、ほぼ毎日通っていた時期もあった)、
時々パキスタン人やネパール人らが、ハラールショップで仕事はないかと人に聞いたりしているのを見ていたため、
まずは同胞から情報収集だよね!ということで、行きつけのハラールショップに足を運びました。
そのハラールショップは今はなくなってしまったのですが、
マンションの一室でやっていて、狭いものの、玄関で靴を脱いで上がる普通のお家みたいな場所だったので、よくパキスタン人らが集まってお喋りしてたのです。
もはや店というより社交場。
1年間のパキスタンでの生活を終えて久しぶりに行ってみると、お店の人が変わっている。
私が仲良くしていたインド人のおじさんは、実は不法滞在だったようで、インドに帰ってしまったとの事。
私が一番仲が良かったのもそのおじさんだし、みんなそのおじさんを介して色々情報収集していたので、困ったな…と思いましたが、
新しいお店の人と、そこにたむろしていた見知らぬパキスタン人に事情を説明したら、
「仕事があったら教えてあげるよ!ビザがあるならすぐ見つかるよ!」と言ってくれました。
パキスタン人、基本的にみんな親切だよね…
外国人専門の派遣会社も、ここで2〜3個教えてもらいました。
教えてくれただけでなく、この場で今すぐ電話しろ!と。
3)外国人専門の派遣会社に登録
ちなみに、今でこそ「外国人専門の派遣会社である」とわかっているのですが、
この時パキスタン人から聞いたのは
「これ、仕事くれる日本人」と言われて、その方の電話番号と名前だけ…
この時点では「派遣会社」であるという事すらもよくわかっていませんでした。
そんな状態でも、とりあえず今すぐ電話をしろと言われ、
教えてもらったSさんの電話番号にその場で電話を。
私も派遣会社にはいくつか登録していますが、
日本で日本人が派遣会社に登録しようとすると、普通はまず、
その派遣会社に面接に行って、スキルを確認したり、希望条件の聞き取りがあったりしますよね。
でも私がパキスタン人から聞いてSさんに電話した時はそういうのは一切なく、
電話して、名前・年齢・性別・国籍・在留資格・住んでいる場所・日本語のレベルを聞かれておしまい。
それで「何かあったら電話します!」とだけ言われました。
この時点では派遣会社だということもわかっていなかったため、
え?こんだけ?つーか、仕事を紹介してくれる人ってドウイウコト…?
Sさんは一体何者なの…?
と、少々不安になりましたが、
パキスタン人ら曰く「ダイジョーブダイジョーブ」とのこと。
でも他にアテもないし、私の電話番号以外ほとんど個人情報らしきものも出していないし、
まぁいいか…と。
5分ちょっとで電話も終わっちゃったし、こんなテキトーにしか話を聞いてもらえなかったので、多分仕事は紹介してもらえないだろうなーと思っていました。
が、結果的に、この派遣会社から仕事を紹介してもらう事になりました。
うちは見知らぬパキスタン人経由で、個人が経営している外国人専門の派遣会社に登録をしましたが(「登録」という行為すらもほぼしてないも同然ですが…)、
日本人も登録しているような大きめの派遣会社でも、工場の期間工や契約社員など、外国人が働ける仕事を募集しているところはあります。
特に、日本語ができるならば結構条件のいいお仕事が見つかったりします。
うちの旦那が来日したばかりの頃はなかった制度ですが…
愛知県は2019年から外国人雇用促進事業を実施。
定住外国人(永住者を始めとする就労制限のない外国人)等の方を対象として、就職相談窓口を開設し、就職支援を行っています。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」のいずれかの在留資格があって求職中の方は、相談してみてもいいのでは。
英語対応も可能だそうです。
※難民申請中の人は不可
派遣社員から正社員へ
派遣会社から仕事の紹介が
ハラールショップでパキスタン人に言われて、仕事を紹介してくれると言う見ず知らずの日本人・Sさんに電話をしてから2〜3週間程経った頃。
夕方、Sさんから電話がかかってきました。
電話に出るといきなり、
「○○区の工場の仕事なんですけど、明日から働けますか?」と。
その工場で働いていた外国人のビザが偽物だった事がわかり、働かせる事ができなくなったので、すぐに働ける人を探しているとの事。
あ、不法就労はさせてないんだなってこの時点でわかってちょっと安心。
仕事の内容も全然わからないけど、なんかものすごい勢いで喋られるので詳しい条件を聞く事もできず、なんか色々言える状態でもなく。
何が何やらわからぬまま「働ける」と答えたら、
「長靴と、履歴書と在留カードのコピーもって明日8時に○○駅に来て!」
と言われて電話を切られました。
この電話をくれた人が何者かもわからず、働き先もよくわからず、お給料すらよくわからない状態のまま、翌日から働く事に…
翌日、言われた通りの時間に旦那と二人で駅に行くと、
40過ぎくらいの日本人男性が車で待っていて、乗ってくれと。
働き先となる工場まで連れていってくれました。
車の中で、何の工場なのかということや、他にも外国人が働いている事を教えてもらい、
工場に着いたら工場長に紹介してもらい、一息つく間もなく旦那は
「じゃ、早速働いて!!!日本語わからなくても、見て同じようにしたらいいから!わからない事あったら聞いて!」と、矛盾したことを言われながら(笑)働き始めていました。
その後Sさんが
「奥さん時間ある?ちょっと喫茶店でお話ししましょう」というので、一緒に喫茶店に。
そこで初めて、Sさんの名刺をいただきました。
S商会という会社の社長さんで、外国人の派遣会社をしている事、
旦那の働き先にはもう長い事外国人を派遣している事を教えてもらい、
「あ、ちゃんとした派遣会社だったんだ…」とちょっと安心。
電話口では「有無を言わせぬ猛烈な勢いで喋る方だな…」と言う感じでしたが、この時はそうでもなく、
翌日からどうやって工場に通えばいいかを一緒に調べてくれたり、
社会保険に加入するかどうかなどを聞いてくれたり、普通に親切な方でした。
社会保険は加入できたし、お給料もきちんと支払いしてもらえました。
が、厚生年金の本来ならば会社負担分となる金額もお給料からひかれたし、有給休暇は貰えませんでした。
超ブラックな会社ではあります。
他の外国人は、ほとんど社会保険に加入してないようでした。
有給休暇は法律で定められているはずでは…と話したら「そんなこと勤務先に言ったら言ったら、仕事貰えなくなっちゃう」と言われました。
この対応には納得できないけれど、無理を言って仕事の契約が切られた場合、今の仕事と同等の条件の仕事が見つかる保証どころか、新しい仕事が見つかる保証もまったくありません。
仕方なく、厚生年金なのに全額自費払い・有給休暇なしで働くしかありませんでした。
私は一応仕事はできるので、すぐに仕事が見つかる自信もあったし。
ブラックな派遣会社ではありましたが、
社長のSさんは毎月きちんと外国人スタッフの様子を見に来てくれたり、時々スタッフにTシャツなどをプレゼントをしてくれたりと、
気さくな方でした。
本当にお世話になりました。
3年間真面目に働いて正社員に
ぶっちゃけ、外国人の派遣社員はものすごく簡単に仕事を辞める人が多い。
旦那の働く工場も、常時6〜10人くらい外国人スタッフがいるのですが、
ヒドい場合は、初出勤したその日のお昼休憩が終わったら消えていた…なんて事もあったり。
工場の仕事なのですが、結構仕事内容がキツくて、すぐに嫌になって辞めちゃうみたい。
旦那の努める工場に外国人はそれなりにいるものの、1年以上働いている人は旦那以外にいませんでした。
うちの旦那はもんのすごく大人しく、自分の意見をはっきり言えず、でも責任感は強い「ノーと言えない日本人みたいなパキスタン人」なので、
キツい仕事も黙々と引き受け、早朝出勤・休日出勤なども頼まれていました。
派遣社員として3年間勤めている間、お休みしたのは
年末年始の休暇にひっかけて5日くらい休みを貰い、パキスタンに里帰りをした1度だけ。
そういう真面目っぷりが認められたのか、3年くらい経った頃に
工場長から「正社員にならないか?」というお話をいただき、派遣会社の社長のSさんにも了承いただいた上で、円満に派遣社員から正社員となる事ができました。
時給換算のお給料もちょっと上がったし、
厚生年金もちゃんと会社負担分は会社が出してくれるし、
有給休暇もボーナスもある。
同じところで働いているのに、ものすごく条件が良くなりました。
きちんと正社員になって、お給料とかを安定させたいなと思ったら
やはりコツコツ真面目に働くのが一番だと思います。
外国人が仕事を探すなら、同胞の紹介+派遣会社に登録で!
以上が、うちの旦那のやった職探し方法と、正社員になるまでの流れ。
うちの旦那は以前から何度も書いているように、
大人しくて、自分で起業するよりもどこかでお勤めする方が向いている人です。
そして本人もそれをわかっているので、これまで仕事関係で無謀な事を言い出す事はなく、
少ないものの、毎月一定のお給料を貰ってきてくれます。
私自身がフリーランスで仕事をしていて、収入に波があるので
「旦那が最低限これだけはお給料を貰ってきてくれる」っていうのは、ものすごく安心感があって助かっています。
今はコロナウイルスの事もあり、外国人がお仕事を探すのはなかなか難しいかもしれませんが、
短期のお仕事や期間工ならば、高望みをしなければ見つかるのではないかと。
パキスタン人は仕事を探す時に「人に頼る」「同胞のところで働く」ことが多いような気がしますが、派遣会社なんかもあたってみるのもオススメだと思います。
日本で結婚した外国人の方、外国人の旦那さんの仕事を探している日本人の奥さん、
みなさん、良いお仕事が見つかると良いですね!
ちなみにっ、
現時点で資格も技術も持っていない人が、
「母国で勉強していた事を活かしたい」「技術が身に付く仕事がいい」とか、高望みしていると
仕事はなかなか見つからないと思います…
IT系できちんとした知識と技術を持ってれば別ですけどね。
うちの旦那は2022年に大型免許を取得しました。
IT技術じゃなくても、こういう資格でもいいので、何か持ってると
選べる仕事の幅が広がると思います〜。
大型免許、外国人でも自動車学校に通えばサクッととれます!
お読みいただきありがとうございました!
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治安、旅行ガイド、両替やATM、フンザへの行き方など、ブログ内のパキスタン旅行や滞在に関する必要情報・便利情報をまとめた目次(サイトマップ)です。
デザイナーとライターをしています。お仕事のご依頼やご相談もお気軽に。
旦那さん日本に来てからそんな物語があったんだ。フンザとは時間の流れが違うから慣れるのに大変だったろうに。うまくなじめてよかったね。 じゃね ひろ
ひろさん
日本語もできないし、特別なスキルもないのに、
日本に来てから1ヶ月後にはもう働いていたから、なかなか運がよかったと思うよ。
仕事はキツい内容で大変そうだけど、会社の日本人ともちゃんと仲良くしてるようで安心してる。