こんにちは、スズケーです。
新型コロナウイルス騒動で、
会社勤めの方も、自宅でインターネットを使ってお仕事したりしてるようですね。
インターネットの普及で、世の中ってガラっと変わったなと思います。
インターネットで、旅行も断然楽になった。
けれど、ワクワクは減ったな…と思います。
今は全てがインターネットの時代になっちゃって、
必要な情報は、ちょっとネットを検索すればたいてい出てくる。
航空券もネットで買える。
ホテルもネットで探せるし、予約だって出来る。
行きたい場所だってネットで吟味できる。
アプリを使えばタクシーやリキシャーも呼べるし、支払いもオンラインやカードで出来る。
インターネットのおかげで、本当に旅は便利になりました。
だけど、不便な時代の旅が懐かしいなって思うのは、なんでなんでしょうね。
時代とともに旅も変化する

私が初めて海外旅行をしたのは社会に出てから。
デザインの専門学校に行っていた時は、とにかく課題が多かったし、夜は毎日バイト入ってたし、
私も、新しい知識や技術を学べるのが楽しくて、忙しくて、
旅行に行きたいとかは、全く考えていませんでした。
英語も全くできなかったし。
海外旅行は、専門学校卒業後に就職したデザイン事務所で社員旅行として
シンガポールに連れていってもらいました。
その時の自由行動の時に「英語ができなくても何とかなるんだ」って知り、
その年の年末年始のお休みに一人でインドへ。
それからは結婚するまでの間毎年1〜2回、インドに短期&長期の旅行に行っていました。
私が一人でバックパック旅行をするようになったのは、
沢木耕太郎さんの紀行小説を大沢たかおさん主演でドラマ化した「深夜特急」を見てからなのですが、
沢木耕太郎さんが旅行していた頃と、私が旅行していた頃でも、
もうすでに旅行の仕方って大きく違っていたようで、
ドラマを見たり原作小説を読んだ後、自分の旅行と比べて、色々とヘーって思うことがありました。

深夜特急、面白いので是非どうぞ!
パキスタンも出てくるよ。
私の知らない旅、私の知ってる旅

色んな旅行記なんかを読んで知ったことだけれど、
私が旅行を始める前は、航空券の譲渡とかも簡単に出来て
(名義人が空港までついていき、チェックインと発券さえすれば、他の人が飛行機に乗る事が出来た)、
ゲストハウスの掲示板には「チケット譲ります」みたいな張り紙とかがいっぱいあったそうだけれど、
私はその時代を知りません。
私がバックパック旅行を始めたばかりの頃は、
チケット譲渡は出来なくても、まだまだインターネットがそこまで一般的ではなく、
スマホもなかった時代。
私達旅行者は、
旅行代理店や親しくなった人などの現地の人々から、
行き先で出会った旅人同士の会話から、
そしてゲストハウスやレストランにおいてある情報ノートから、
必要な情報をさがして、内容を精査して、確認して、そして旅していました。
情報ノート

情報ノートというのは、有名観光地のゲストハウスやレストランなんかにおいてある、
寄せ書きノートみたいなもので、
そこに立ち寄った旅行者が思い思いの内容を書き込んでいくもの。
どうでもいいポエムみたいなものや、何かのスケッチやイラストのこともあれば、誰かに宛てた伝言なんかが書いてあることも。
でも大体の場合は、旅にまつわるなにかしらの情報が書き込んであることが多く、
バックパッカーの間では「情報ノート(information book)」と言って、
情報収集に、そしてちょっとした交流のきっかけにと重宝されてきました。
ゲストハウスやレストランで情報ノートを読みながら、
そこに居合わせた他の旅行者とあれやこれやとその情報について語り合う時間は、
一人で旅行をする孤独なバックパッカーにとっては
「久しぶりに誰かと楽しく過ごす時間」でもあったかもしれません。
日本人はマメなのか、それとも英語が苦手な人が多いというハンデがあるせいか、
情報ノートには、日本語の書き込みが多かったような気も。
私のように、英語が不得手なバックパッカーにとって、
日本語で書かれた現地の様々な情報は、本当にありがたいものでした。
この二カ所では長期逗留する事も多かったので、暇つぶしも兼ねて色々書いていました。
バックパッカーの間の有名人

旅人の中には、情報ノートを見かけたら必ず書込みをしているような常連さんもいて、
そういう人は自然と、旅人の間ではちょっとした有名人になったりしていました。
私がパッと思いつくのは「幸せ配達人NOBU」。
場合によって「幸せ配達人 ラブリ〜NOBU」だったり「幸せ配達人 スマイリ〜NOBU」だったりしたと思うのですが、
とにかく”幸せ配達人”。
私はインドとパキスタン、それからネパールくらいしかキチンと旅行をしてないので(あとは東南アジアを少々)、その3カ国でのことしかわからないけれど、
情報ノートを見つけて読んでいると必ず、この「幸せ配達人NOBU」さんの書込みがありました。
写真を一緒にはるのをモットーにしているのか、たいてい自分が写ってる写真も貼り付けてありました。
先日別件で検索をしていたら、たまたま
幸せ配達人NOBUさんについて書いてあるブログを見つけました。
ああ…この人、ちゃんと実在してたんだな…
っていうか、電話でいきなり「初めまして、旅人ののぶと申します」っていうとか、
相変わらずなんだな…って、全く面識のない人のことなのに、ちょっと嬉しかった。
(まぁ、実在してるのは知ってた。
フンザの友人・めだかちゃんが会った事あるそうで、「very funny man」って言ってた。)
さらにその後、ご本人のブログも見つけてさらに感動。
お元気そうで何よりです。
インターネットの普及と旅

今は全てがインターネットの時代になっちゃって、
必要な情報は、ちょっとネットを検索すればたいてい出てくるようになりました。
SNSでほぼリアルタイムに自分が旅している国の情報を得ることもできるし、
相手の顔が見えない・わからないまま、情報交換も出来る。
そういうのもそれはそれで楽しいけれど、
面識のない人に対して送るにはあまりにも礼儀のないメールやメッセージが来たり、
「ビザ申請用紙の印刷の仕方がわかりません」みたいなあまりにも酷い教えてちゃんから連絡が来たり、
変な人に絡まれたりと、
わずらわしいことも少々あったりします。
情報に関しても、
旅に関する情報発信をしているブログやサイトはたくさんあるけれど、
情報が多すぎてどれを信じるか混乱したり、
アジアの情勢やVISA情報、ホテルや移動情報って結構すぐ変わるので、
インターネットで見た情報を信じて、現地で何も確認せずにいたりすると
もうすでに古い情報だった…なんてこともあるので
インターネットで情報を調べるだけでなく、やっぱり自分で確認することは必要だなって思います。
あと、私のこのブログだってそうなのだけれど、情報を発信してるブログやサイトは、
アフィリエイトしてたり、googleアドセンス入れてたり、何らかのリベートを求めているところも少なからずあります。
勿論、それがいけないとは思わない。
でも、ただひたすら何の見返りもなく、
自分の情報が役に立ったかの確認すら出来るわけでもないのに、
自分の時間を割いて、コツコツ手書きで書き込んでいた情報ノートとは、やっぱりちょっと違うなぁ、って感じます。
思い返せば返す程、情報ノートには、旅人の思いとかが色々つまっていたんだなぁって。
私の好きな旅・失われた旅

今も昔も、旅は面白い。
けれども、昔の旅の方がもっともっと面白かった!と、私は思います。
良くも悪くも刺激があった。わくわくした。
私はやっぱり、
あの、完全に手探りで、直接人同士が助け合いながら進んでいた、
面倒で不明確で、時には情報がほとんどないまま完全に手探りで進まなければいけないような、
だけど人との距離が近かった、あの時代の旅が好きだったなって思う。
「便利な旅が当たり前」の人達が、そういう不便な旅を面白いと思うかどうかはわからないけれど…
レストランでスマホポチポチしてる人なんて誰もいなかった。
誰かが来れば、自然に挨拶したり、会話が始まっていた。
一人の時間を楽しむ時は、本を読んだり音楽を聴いたりして、旅人同士で本を交換するのも楽しかった。
今やどこに行っても、地元の人ですら、ひたすらスマホいじってるよね。
つまらない。
今の時代がいいとか悪いとか、そういうことはどうでもいいけど、
私はあの頃を懐かしく思っているし、今のこの、無機質になりつつある旅のスタイルを、寂しく思ってる。
もちろん、便利であることを否定するわけではないので、
今は便利ねぇと、文明の利器の恩恵を受けつつ、
でも、こういう便利なだけじゃない時代に旅できて良かったなって思っています。
私の旅は遠くなりにけり、ですね。
お読みいただきありがとうございました!
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今は町の様子が動画で見れちゃうからね。それだけでもすごい情報なのに、ブログとかでも細かい情報がゲット出来る。いい時代になったね。でも私には未体験ゾーンです。はい。(笑)
ひろさん
私も去年、親戚の子に現地の確認してもらっていたから
「シャンドゥール峠は雪で通れないな…」ってスケジュール調整して無駄足踏まずに済んだわけで、
便利なんだけどね。
でも、情報がないままに現地まで行ってみて、やっぱり行けなくて
「さて、じゃあどうしよう」
ってなる昔の旅も、楽しかったなぁって思う。