こんにちは、スズケーです。
春分の日の祝日と土日で3連休でしたね。
桜の花が咲いているところでは、小規模ながらお花見を楽しむ人もいたようで。
それに対して「コロナウイルスで大変な時に」とか「感染が拡大する」とか
賛否両論、色んな声があるようですが、
私としては、経済のためにも、人が笑って楽しく過ごすためにも、
屋外でささやかに花を楽しむことくらいしたっていいじゃん、と思っています。
ちょっとした花見を楽しむくらいは心にゆとりをもちたい。
我が家の場合、家の目の前にとても立派な桜の木があるので、お花見は毎年家から。
まだ全然咲いていませんが、週末あたりからは咲き始めそうです。
春分の日、ということで、パキスタンのフンザはナウローズ(新年)でした。
目次
フンザのナウローズと、コロナウイルスの状況
3月21日頃、日本で言う春分の日はフンザではナウローズと言うお祭りの日です。
ナウローズはイラン発祥のお祭りで、ペルシャ歴の新年にあたります。
ゾロアスター教の新年のお祭に由来すると言われていて、イスラームに関連したものではありません。
フンザの人の中には「ナウローズはフンザだけの伝統」と思っている人もいるのですが、
フンザ以外にも、イランやアフガニスタン、ウズベキスタンなど、中央アジアの国の一部で見られるお祭りです。
(「ノウルーズ」「ナウルーズ」と発音する地域もあります)
杏の花はまだ咲いていませんが、もう大分つぼみも膨らんできているようで、
昨年は杏の花の開花が1ヶ月近く遅くなりましたが、今年はほぼほぼ例年通りの時期に開花となりそうです。
今月末には咲き始めるかな。
静かな春の訪れ 新型コロナウイルスとフンザの状況
大体毎年ナウローズあたりから、春の杏の花咲くフンザを目的に
国内外から旅行者が訪れ始めるのですが、
今年は新型コロナウイルス騒動で、フンザにやってくる旅行者もほとんどなく、とっても静かな春の訪れとなりました。
3月23日現在、ギルギット・バルティスタン州内の新型コロナウイルス感染者は70名を突破。
フンザやゴジャール(上フンザ)では今のところ感染者はいませんが
ギルギットや、フンザの対岸のナガルでは新型コロナウイルス感染者が出ています。
これまでの感染者はほとんどがイランの巡礼旅行から戻った巡礼者だったのですが、
昨日新たに見つかった16名の感染者は、いずれも海外の渡航歴はなく全てローカル。
これは地域内での感染が広がりつつあることを示していて、より警戒が強められました。
数日前からギルギット・バルティスタン州は、州内への観光客(国内・海外問わず)のエントリーの2週間禁止、 ギルギットとスカルドゥのバザールを2週間閉鎖する等の対策をとっています。
本日は新たに「ホームロックダウン」と称し、
必要性がない場合は外出を控えること、地区間の移動を禁止することが発表されました。
いわゆるカーフュー(外出禁止令)です。
旅行者がフンザ滞在のメインとするカリマバードもこの通り、
全てのお店がクローズして静まり返っています。
【現在ギルギット・バルティスタン州でとられている対策】
- 州内への観光客(国内・海外問わず)のエントリーの2週間禁止(4月頭あたりまで)
- ギルギットとスカルドゥのバザールを2週間閉鎖(4月頭あたりまで)
- ホームロックダウン(必要性がない場合は外出を控えること、地区間の移動を禁止)
- フンザに入る際のヘルスチェック
地域で行われている小さな活動
州単位でも、新型コロナウイルス感染防止対策はとられていますが、
フンザ周辺では、さらに小さな地域単位でも、新型コロナウイルス感染防止のために
様々な活動が行われています。
ガニシュでは女性たちがマスクを作り、
それをボランティアの人々が道行く人々に配布したり、アルコール消毒できるスポットを用意したり。
アリアバードでは、バザールに手洗い用の洗面台が設けられました。
もちろんちゃんと石鹸も設置。
カリマバードでも青年ボランティアが、道行く人々の体温検査をしたりしています。
中には、新型コロナウイルスを予防するための方法を歌詞に盛り込んだ歌を作っちゃう人までも(フンザの人なのか、どこに住んでいる人なのかは不明)。
「友達に会って握手したら手を洗おう。
外でご飯を食べたりするよりも自分の家にいるのがベスト、黙って寝よう」
そんな歌詞です。
旅行者もギルギット・バルティスタン州に入れなくなっちゃったし、今、他にやることないですもんね…
こういうことでもしながら、自分たちで生活を楽しむしかない。
パキスタンは国際線の乗り入れを停止
パキスタンは3月21日20時より、4月4日まで、新型コロナウイルス感染拡大防止策として
国際線飛行機の乗り入れを禁止しました。
現在、イラン国境、アフガニスタン国境、インド国境は新型コロナウイルス感染拡大防止のために閉鎖中、
中国の国境は冬期閉鎖中(例年通り4月1日に開くかどうかは不明)、
空路も禁止。
パキスタンへの出入りができなくなりました。
「そろそろヤバいかな」と、パキスタン出国を検討していたであろう旅行者や、駐在員の方は、しばらくの間パキスタンに閉じ込められることに。
インドは全土で外出禁止令
パキスタンがとっている対策は、隣国インドが行っている対策の後追いのようにも見えるのですが、
昨日インドは、今後あるかもしれない長期のカーフュー(外出禁止令)のための予行として、朝から夜まで国民13億人と旅行者全てが外出禁止になっていました。
パキスタン首相のイムラン・カーンは、
「人々は既に難しい状況に直面しており、都市部を閉鎖した場合、最終的に新型コロナウイルスからは守られるかもしれないが、飢えで死ぬだろう」
として、経済的被害の大きさを考慮し、大規模な都市部封鎖は行わないと表明していますが
先ほどフンザでホームロックダウン対策がとられたことを紹介したように、
ラホールやペシャーワルなどでも地域ごとに外出禁止令が出ていますし、
結果的にはパキスタン全土に、外出禁止令が広がっていきそうです。
インドは3月22日午前7時~午後9時の間、14時間の外出禁止を全土で実施しました。
今後あるかもしれない、長期の外出禁止令の予行的な意味合いのようです。
この外出禁止令が実施される中、モディ首相は「コロナウイルス感染防止対策に取り組む人達へ感謝と敬意を表し、拍手やベルを鳴らそう」と呼びかけ、
17時から5分間、インド国民が一体となり、拍手やベルを鳴らしました。
この時の様子は、インド人やインドにいる旅行者から「感動した」という声と共に、動画や写真がSNSにアップされています。
感動したと言う感想がほとんどですが、
私の感想は「インドの政権は国民感情をコントロールするの上手いよね」ってこと。
外出禁止に不満やストレスがあったかもしれない人達も全て、この5分間で「インド万歳」って、愛国心を感じたのではないでしょうか。
このモディ首相が国民感情をコントロールする一連の状況を冷ややかに見つつ、
インドの全ての人々がカシミールのことも同じくらい関心もってくれたらいいのにね、と思いました。
昨日の外出禁止令の中で、
昨年8月からカシミールの人々が、何の前触れもなく急に、数ヶ月間、ネットも電話も使えない完全なロックダウンされた状態に陥ったのだということを思い出したインド人は、
どれくらいいるんでしょう。
ただのカーフュー(外出禁止令)なら、
インド人がカシミール人の「閉じ込められた」気持を考えるきっかけにもなったのかもしれない。
けれど、モディ首相の呼びかけにより
「偉大なるインドの一体感を味わうカーフュー」になったので、
カシミールのことや、そこの住む人々の困難や苦しみを考えた人なんてきっとほとんどいなかったのではないか、と思います。
パキスタンはこれから長期化しそう
パキスタンは毎日100人以上の単位で感染者が増えていますし、
まだ検査が終わっていない、イラン帰りの巡礼者が数千人います。
国内でのローカル感染も始まりつつあります。
パキスタンの新型コロナウイルス騒動はこれから長期化していきそうですね…
表を見ると、あと1〜2週間程度でパキスタンは日本の感染者数を超すのでは?という感じ。
まぁ、日本は「重篤化してない限り検査しない」スタンスのようですので、感染者数がそんなに増えないのは当たり前っちゃ当たり前なのですが。
まぁ、私が騒いでもどうにかなるものではないですし、
うがい・手洗いだけはしっかりしつつ、毎日を普通に、コツコツ過ごそうと思います。
ゴールデンウィークの予定とかもたてられないし、
ほんと、コロナ騒動、早く終わらないかな…
お読みいただきありがとうございました!
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