パキスタンあれこれ

パキスタンの独立記念日とカシミール

パキスタンの独立記念日とカシミール

こんにちは、スズケーです。

独立記念日おめでとうございまーす。

8月14日はパキスタンの独立記念日。
インドより1日早く、イギリスから独立しました。

パキスタンとインドの歴史に関してはこちらの記事を参考に。

インドとパキスタン 対立の歴史
インドとパキスタン 対立の歴史インドとパキスタン、イスラームとヒンドゥーの対立や分離独立についての歴史のまとめ。 2019年に起きたテロや、これまでの印パ戦争やカシミールを巡る争い、その原因についてなど。...

毎年この日は、独立をお祝いするため、パキスタンの首都・イスラマバードを中心に公式祝賀会が開催されています。

 

日本で独立記念日を祝う場合も、amazonにパキスタンの国旗アイテムが結構あるので、
こう言うのを用意しておくとパキスタン人が喜ぶかもしれません。

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2019年の独立記念日とカシミール問題

本来は毎年、愛国心の強いパキスタン人達が「イギリスからの独立」を祝って喜びあう、おめでたい気分に包まれる1日なのですが、今年はちょっとだけ雰囲気が違います…

2019年の独立記念日とカシミール問題

インド政府によるカシミール自治権の剥奪

2019年8月5日、インド議会はジャンムー・カシミール州の地位を見直し、カシミールに特権を付与する憲法370条を廃止すると発表。
8月6日には同州を連邦直轄領に組み込む法案を可決しました。

カシミールの人々の声も聞かぬまま、インド政府はカシミールを飲み込もうとしています。

インド憲法370条では、ジャンムー・カシミール州に、独自の立法・行政・司法制度といった一定の自治性を認め、法案作成も自由に行なえるなどの特権が与えられていました。
この他にも、市民権や財産所有権、基本的権利に関する独自の規定があるほか、州外からのインド人が、州内で物件を購入したり定住することも禁止しています。
この憲法条項は、インド政府とカシミール人々の微妙な関係を70年にわたり支えてきましたが、これらのほぼすべてのカシミールとカシミールの人々の権利を、インド政府は突然廃止しました。

インド編入時の複雑な事情の関係で、カシミールに与えられていた全ての権利がこれで奪われることになります。
インド政府は、カシミールの人々の最後の信頼を裏切りました。

カシミール問題 終わらない争い
カシミール問題 インドとパキスタン、終わらない紛争カシミールでの紛争の論点や原因、現在の治安状況、カシミールで起きている問題について。 国際社会の役割。...

反故された約束 行われない住民投票

1949年に第一次印パ戦争が国連の調停で停戦した際に、カシミールの帰属を決するための住民投票の実施を勧告し、インド・パキスタン両国はこの調停案を受け入れましたが、
現在まで住民投票は行なわれないままとなっています。

インドはカシミールのインドへの帰属を既成事実化させるため、1965年にジャンム・カシミール州議会に、同州がインドの一部であることを明確にした州憲法を採択させました。
以来インドは「カシミールの帰属問題はすでに決定・解決済みであり、カシミールはインドの領土である。よって、住民投票の必要はない。パキスタンはカシミールの一部を不法占拠している」と主張し、
それに対してパキスタンは「国連決議に基づく、カシミールの帰属確認のための住民投票がいまだ実施されていないため、カシミール問題は未解決の紛争である」としています。

これまでに第三国が「カシミール問題解決のために両国の話し合いを」という旨を進言するたびにも、
インドは反対を唱え、パキスンは歓迎の意を表明するという構図が見られ、
両国のカシミール問題に関する立場の違いが浮き彫りになっています。

 

インド政府は、カシミール問題をパキスタンという国との問題と考えているのかもしれませんが、住民投票は、カシミールに住むカシミールの人々との約束でもあるはずで、
彼らの気持を置き去りにし、そして巧妙な手口で約束を反故し続けるインド政府に、カシミールの人々の心がついていくとは到底思えません。

私の個人的な意見を言うと、インドもパキスタンも本当のところは「現在の実効支配線・管理ライン(LOC)で分割されたカシミールの状況を今さら変更することはもはや困難であり、この現状を受け入れて分割支配をするしかない」ということは十分に承知しているはずで、両国の面目を潰さないようなきっかけさえあれば、カシミール問題の解決は成り立つ、と思っていました。
ただ、今回のインドの一方的過ぎるやり方により、その可能性は消えました。

ジャンムー・カシミールでは、インド政府の威圧的なやり方に反対して自由を求めるカシミールの人々につけいって、「ジハードを」と声を上げる他国から入って来たイスラーム武力勢力によって治安が不安定になりがちですが
インドはこれを「パキスタンがテロ行為を支援している」と非難し、
パキスタンは「インド治安部隊はカシミールの人々の人権を無視した作戦・武力統治を行っている」と非難しています。

実際にどちらもカシミールで起きている現実であり、ただ普通に、平和に暮らしたいカシミールの人々は、どちらの行為にも迷惑しています。

 

カシミールの人々と、外から来たテロリストとの間に考え方・目的の違いがあるということは、カシミールで起きた実際の事件を元に書かれたこの小説なんかでわかるかなと思います。

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パキスタンの反発

あまりにも突然で一方的すぎるインド政府によるカシミール自治権の剥奪に、当然パキスタンは強く反発。
インドの動きは違法だと主張し、パキスタン軍に警戒態勢を維持するよう指示が出ています。

また、14日のパキスタン独立記念日を「勇敢なカシミール住民と自決権を求める彼らの闘争」にささげると表明したしたほか、インドの独立記念日に当たる翌15日を「暗黒の日(Black Day)」とし、インド政府に対し国全体での抗議を示す旨を決定しました。

本来パキスタンとインド両国にとって「ハレの日」である独立記念日ですが、2019年は今後の両国の関係が懸念される複雑な日となってしまいました…

インドとかパキスタンとかはもうどうでもよくって

カシミールは、私が世界中で一番大好きな場所なのですが、
パキスタンで結婚したことにより私がスリナガルにいくことは、多分かなり難しくなってしまいました(発行されるインドビザに規制があるため)。

パキスタン人と結婚したことによるデメリット
インドビザがとれない!?パキスタン人と結婚したことによるデメリットパキスタン人ムスリムとと国際結婚したことによるデメリットについて。パキスタン人と結婚すると、日本人でもインドの観光ビザの取得が難しくなるので注意。...

 

例えカシミールに行けなくても冬の間デリーに出て来ている友人に会うことは出来るし、
もしかしたらインドとパキスタンの関係が良くなって、また簡単に行くことが出来るようになるかもしれないと思っていましたが、所詮、私の願望に過ぎませんでした。

カシミールに住んでいるわけではない、単なる旅行者の、第三者の意見でしかないけれど、
私はカシミールがインドだろうがパキスタンだろうが、どっちにあってもよくって、
ただそこに住んでいる友人達が平和で幸せに暮らしてくれていればそれで良かった。
そしてできれば私も、自由に彼らに会いにいくことが出来れば。

だけど結局はこんなことに。

インド政府はカシミールのためだと言うけれど、
ならばなんでこんな不意打ちのような形でことを起こすのか。

もうすぐイードも控えているというタイミングで、ムスリムが多数のカシミールの人々の権利を奪い、不安にさせ、外出禁止令を敷き、全ての通信手段を遮断させる。
そんな行為を普通に行うインド政府が、
本当にカシミールのためを思ってとった行為だとはとてもではないけど思えない。

パキスタンならいいのか?それもまた別問題。
今パキスタンは対外的にカシミールを1949年の国連調停を尊重して扱っているけれど、パキスタンにとってカシミールはインドとのやりとりの重要なコマの一つでしかなく、
本当に、カシミールの人々のための政治が行われるのかはわからない。
(ただ、パキスタンはイスラームの国なので、少なくとも宗教的な抑圧・差別はなくなる。)

インドとかパキスタンとかはもうどうでもよくって

今回の事がきっかけで、カシミールがどうなっていくのか全く見当もつかないけれど、
少なくとも、カシミールの友人達が自由に平和に暮らせる道を、インドとパキスタンがきちんと考えてくれるようにと切に願います。

来年の独立記念日は、全てのカシミールの人が、幸せに迎えることが出来ますように。

そして私も、またみんなに会えますように。

 
ABOUT ME
スズケー
スズケー
フンザ出身のパキスタン人と国際結婚しています。 デザイナーとライターとアーティスト、時々通訳をしつつ、 投資もやってます。 お金稼いでパキスタンと日本とインドと、好きに行ったり来たりしたい。
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