こんにちは、スズケーです。
昨年の秋に東京外国語大学オープンアカデミー ウルドゥー語講座の前期を受講し、
ネイティブ講師の「授業の準備をしていない」という適当さに「金の無駄だった」と絶望し、
2021年春から開講の後期は当然受講せずにいたのですが…
2021年度夏開講のオープンアカデミーが、日本人が講師のようだったので、
ほうほう、と思い、今年もまた受講していました。
いやー、きちんと授業の準備をして挑んで下さる講師の方って素晴らしいですね!!
そんなの当たり前のことなんですが、前回受講した際のネイティブ講師の
授業の準備ができていない、授業に必要なホワイトボードの準備ができていなくて数分間席を外すなどの
あまりにも酷い講座を受けたあとだったので、
「きちんと授業の準備ができている」という、当たり前のことですら感動してしまうのです…
ネイティブ講師の授業がいかに酷かったかは、こちらの記事で。
講座終了後のアンケートでもキッチリ苦情は伝えたので、
もしかしたら今は少しは改善されているかもしれませんが、私自身はもう、この講師の講座は受けたくないかな…
さて、前回の酷かった講座の話はおいといて、
今回は、日本人講師によるしっかりした語学講座についての受講感想まとめです。
早朝にウトウトしながら申し込みをしたせいか、肝心の中級が申し込めておらず、
初中級のみの受講となりました。
目次
東京外大のウルドゥー語講座(2021年度夏開講)を終えての感想
今回の日本人講師によるウルドゥー語講座は、
「中学や高校の英語の授業のような、ベーシックな文法解説が中心の語学講座」でした。
さっくり感じた私の感想をまとめるとこんな感じ。
総合的には、受講できてよかったです。
- 文法の基礎を学ぶ講座。中学や高校の英語のリーダーの授業みたいだった
- 予習できるように事前にテキストが配布されるなど、講師が受講生のためにちゃんと準備してくれている
- 正しい文法・表現のウルドゥー語と、パキスタン人が実際に使うウルドゥー語は異なることもある
- 基礎文法から学ぶのは私には向いてない
では、講座の紹介と私の感想をまとめていきます。
2021年度夏開講 ウルドゥー語初中級Ⅰ 講座内容
講師は、東京大学大学院総合文化研究科南アジア研究センター特定研究員の村上明香先生。
インド国立アラハバード大学大学院博士後期課程を修了した、
ウルドゥー文学、インド・イスラーム文化の専門家だそうです。
もちろん、東京外国語大学でも授業を受け持っておられるよう。
前回受講した時は、全15回で25,000円だったかと思いますが、
今回は全12回、20,200円でした。
A2108014 2021年度夏開講 ウルドゥー語初中級Ⅰ
- 講座内容
本講座では、ウルドゥー語の基本文法を復習するとともに、日常会話でつかえる語彙や表現を増やすことを目指します。文字表記は原則としてローマ字を用いる予定ですが、受講生の学習状況によってはウルドゥー文字を用いることも検討します。 - 重点を置く学習内容
会話、文法 - 受講対象者
ウルドゥー語初級を受講されたことがある方、または基本文法を学んだことがある方。
※基本文法を復習しながら進めますので、ブランクがある方でも気軽に受講していただくことが可能です。 - テキスト
講師作成の教材・レジュメ等を電子配布
当初発表されていた講座スケジュールはこんな感じ。
ザ・文法講座って感じ。
1 | ガイダンス |
---|---|
2 | コピュラ動詞現在/名詞・形容詞の変化/人称代名詞の所有格 |
3 | 命令・依頼 |
4 | 一般動詞の現在形 |
5 | 場所と時刻に関する表現 |
6 | 可能・必要・予定・義務に関する表現 |
7 | コピュラ動詞過去形/一般動詞(自動詞)の過去形 |
8 | 一般動詞(他動詞)の過去形 |
9 | 現在完了形/過去完了形 |
10 | 現在進行形/過去進行形 |
11 | 未来形 |
12 | 不確定未来/条件文 |
実際には、多少内容が前後することがあったものの、それに関しては講座内で予め講師の方から
「この方がいいかなということがあったら、教える順番が入れ替わることもある」とも言われていたし、
最終的に全ての内容は網羅されていたので全く問題なしです。
文法の基礎を学ぶ講座
授業のスタイルは、まさに「中学や高校の英語のリーダーの授業みたい」でした。
講師が数名の登場人物が会話をする短いお話をウルドゥー語で作り、それをテキストで事前に配布。
そのお話の会話の中に、その時に「命令形」「現在完了形」など、その時学ぶ文法を含んだ文があるので、
講師から「こういう時はこのように単語や動詞が変化する」といったような文法の説明を受け、
その後、テキストの会話文を和訳したり、受講生がその文法を使った文章で受け答えをしたり…と言った流れ。
いやはや、本当に中学や高校の英語の授業を思い出しました。
「勉強してる感」すごい。
私は過去にも、名古屋市内で開催されている大学の公開講座で英語の講座を受講したりしていました。
私が受講した英語講座はどれも、
1回の講座で1〜2個の英熟語とそれを使った会話を紹介し、講師と会話して実際にそれを使ってみたり、受講生同士で受け答えをしたりと言う、
受講生にとにかく会話をさせるスタイルで、文法をコツコツ説明することはありませんでした。
そのため、なんとなく今回のウルドゥー語講座でもそういう感じの実践形式の授業かな?と思い込んでいたため、
学校の授業みたいにキッチリ文法説明がされるのは少々意外でしたが、
こういう公開講座や語学スクールなどの場合は、講師によって授業の進め方も色々ってことですね。
私はウルドゥー語(ヒンディー語)は、とにかく喋って会話の中で覚えた感じなので、文章としては合っているし日常会話で普通に使えても
文法的に「なんでこれはこうなの?」みたいなのがいっぱいあったのですが、
丁寧な文法説明で、そういうのも質問&解消できてスッキリはしました。
講師が受講生のためにちゃんと準備してくれている
講師が授業の準備をしておく。
いやまぁ、当たり前のことではあるんですけどね…
前が酷かったので、こんなことでも感動できちゃう。
毎回講座の開催される日の3〜4日前には、
予習できるようにと次の講座で使う、講師お手製の資料が送られてきていました。
テキストの構成は大体こんな感じ。
本当に、英語のリーダーの教科書と同じと思ってもらっていいかと。
- 数名の登場人物が会話をする短いお話
- 会話の中に含まれている文法の説明
- 新出単語まとめ
毎回これらを先生が作って送ってくれるのです。すごい。
テキストだけでなく、
受講生がわからなくなってしまった時のために授業内でよく使う指示関連のウルドゥー語熟語カードや、イラストを使った会話練習用カードなども用意されているし、
質問事項があれば、1時間半の授業が終了したあとに少し延長して個別に対応もしてくれる。
本当に丁寧でした!
これだけでも受講満足度もんのすごく上がった。
正しい文法・表現のウルドゥー語と、パキスタン人が実際に使うウルドゥー語
「正しい文法のウルドゥー語」を教えてもらっていると、
ちょいちょい「あまりその言い方は聞かないような…」って言うのもけっこうありました。
例えば「他動詞の過去形は目的語に合わせて変化する」そうで、
「映画を見た」の場合、正しい文法で言うと「film dekhi」なのだけど、
私の周りはみんな「film dekha」って言ってるとか(まぁ、dekhaでもdekhiでも通じるから何も問題ない)。
「12時45分」は「paun baja」と表現するのが正しいそうだけど、パキスタン人の旦那にも友人にも一切通じず
「何それpaune ekだろ」って言われたりとか。
文法で習ったものが、口語として一般的とは限らないのだなぁと言うのを感じて大変興味深かった。
でも、文法的に正しくても今のパキスタンの普通の生活の中で通じなかったら意味ないし…
ウルドゥー語はパキスタンの国語だけど、
母語は別の言語だというパキスタン人がほとんどだから、多分みんなそんな完璧に知識があったり話せたりするわけじゃないんでしょうね。
実際何割くらいのパキスタン人がウルドゥー語を文法的に正しく話してるのだろう、と思いました。
言語を学ぶ上で、何を重視するかは人によりけりだろうけど、
私には「正確な文法」より「通じる事」の方が優先度高いので、
いくら正しくても、この表現はもう使わないだろうな〜ってこともありました。
基礎文法から学ぶのは私には向いてない
これは完全に私の事情ですが…
ウルドゥー語が話せても、ちゃんと文法を習ったわけではない私。
今回の講座、総合的には受講してよかったと思っているし、
「え、それはそういうことだったのか!」と、初めて知った知識や、私が間違えて覚えていたことを改めて学び直したりもありました。
ただ、中学や高校の英語のリーダーのような「文法用語を使った文法の説明を聴くのが中心の授業」「文法用語を使っての語学学習」は、私にはあんまり向いてなかったかな、と…
向いてないと言うか、「コピュラ動詞」「現在進行形」「後置格」「人称代名詞」云々などの文法説明を聞いてても頭に入ってこないのですよねー!
聞く気が一気になくなると言うか…
そのうえ、あえて正しい文法を意識して喋ろうとすると、私はむしろこんがらがるっぽいようで。
だって、日本語で喋る時だって副詞がどうのこうのとか、そんなの考えないのに、
外国語喋る時にいちいちそんなの考えてたら、私、喋れないよ…
「文法の基礎を学ぶ」と言うの、これは勿論とても大切なことで、
私も今回改めて学べてよかったとは思っていますが、
全ての人が最初から、文法用語を使って文法の基礎を学んで…って学び方をするのが合ってるわけではないのだな、と思いました。
人によってそれぞれ「自分に合う勉強法」って違うんだな、と。
私の場合は最初に「現地で別言語を交えず直接法で教えてもらう(=聞く&とにかく喋って慣れる)」でウルドゥー語(実際にはインドでヒンディー語)を身につけて正解だったみたいです。
ニューエクスプレスプラス ウルドゥー語でも独習可
講座の感想のまとめはざっと以上のような感じ。
授業の内容は「ニューエクスプレスプラス ウルドゥー語」と同じ文法説明を押さえていたようなので、
ウルドゥー語を独学される方は、「ニューエクスプレスプラス ウルドゥー語」をキッチリやれば、今回の講座で説明されたのとほぼ同じ文法の基礎を押さえることが出来るのではないかと思います。
講師が作ってくれた配布テキストも、ほぼほぼこれと同じだったし(というかコピーされてるっぽいとこもあった)。
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やっぱり文法用語が嫌で読む気が一気に失せると言うか…
講師の方は、
「講座終了後もウルドゥー語学習をしていてわからないことがあれば、メールで質問したら出来る範囲でお答えします」って言ってくださって、それもびっくり。
派遣社員時代にお客様との飲み会を「時給出ないなら行かない」と全て断ってた私的にはありえないサービスだぜ。
さすがに申し訳ないなと思うので、私自身が連絡することはないと思いますが、
いざと言う時に質問できる人がいると言うのは、一人で勉強している人にはとってもありがたいのではないかと思います。
残念ながら後期は前回と同じネイティブ講師が授業を担当されるようなので、
続けての受講はもちろんナシ。
また授業の準備してなかったり、授業時間内に離席されたりされるのは嫌だ…
今回の先生は資料も授業に使う教材などもしっかり準備して下さるし、
大まかな流れにそいつつも参加してる受講生の反応を見ながら授業の配分を変えるなど、丁寧にしてくださっていたのに、
後期はまた講師が戻って準備不足だらけのダラダラの講座になっちゃうのかな…と思うと本当に残念です。
講座が楽しいか楽しくないかと言われれば、別にワクワクするような楽しさはなかったのですが、
少しとは言え知らなかったことを学ぶことも出来たし、
講師の方が受講生の意見なども取り入れながらしっかり授業の準備をしてくださって、丁寧に説明してくれてるもわかったし、
受講してよかった!と思える講座でした。
ウルドゥー語を学んでみたいと思っている方、
東京外大のオープンアカデミーの講座が日本語講師だった場合は、受講を検討してみても良いかと思います〜。
今回も毎回授業後に、簡単に授業の感想をtwitterでツイートしていたので、
興味のある方はそちらを見ていただくと、もう少し具体的に授業の様子がわかるかもしれません。
以下でウルドゥー語講座に関する全ツイートをまとめています。
スズケーがどうやってウルドゥー語(ヒンディー語)を学んだのか、
興味がある方はこちらをどうぞ。
お読みいただきありがとうございました!
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