こんにちは、スズケーです。
1年に1回、誰にでもある誕生日。
お子さんがいるおうちでは、お子さんの誕生日のお祝いをするところも多いですし、
お子さんがいなくても、友人や家族と食事をする、という人もたくさんいますね。
私自身は、誕生日だからと言って何か特別なことはしません。
私は記念日とかに疎い方なので、誕生日のお祝いなどもあんまり興味がないのです。
友人の誕生日なども、おめでとうと伝えますが、それだけのことが多いです。
旦那の誕生日にも特に何もせず…
しいていえば、下着とか靴下などの新しいのを買おうかな、とか思うくらい。
旦那もあんまり記念日とか誕生日とかを気にする方ではないので、
我が家は一年通して、お祝いとか、そういうのとはほぼ無縁な生活をしています。
最近はパキスタンでも、子供の誕生日をお祝いする人達が徐々に増えていますが、
イスラームでは、誕生日のお祝いをするのはあまり良くない、という考え方をする人が多いようです。
イスラームで誕生日を祝うのは違反?
また一つ大きくなったね、おめでとう!
そうやって子供の成長を喜び、1年間無事に過ごせたことに感謝を込めて
誕生日のお祝いをするのは、別に悪いことではないと思うのですが、
イスラームでは「誕生日のお祝いをするのは良くない」と考えるのが模範のようです。
2008年にサウジアラビアのグランドムフティー、アブドル アジズ アル シェイフ(Abdul Aziz Al-Alsheikh)が「誕生日を祝うことは非イスラム的である」というファトワを出しています。
サウジのムフティーが出したファトワ
このファトワが発表されることになった発端は、
サルマン アウダ(Salman al-Oadah)と言う学者が、テレビに出演した際に
「誕生日や結婚記念日を祝うことはイスラームに反するものではない。
子供達の誕生日を祝うのは普通のことで、私はこれを悪いことだとは考えない」
と語ったこと。
この意見はサウジアラビア国内で議論を巻き起こし、イスラームの中でも特に戒律の厳しいワッハーブ派のグランドムフティー、アブドル アジズ アル シェイフに見解を仰ぐことになりました。
グランドムフティーの出したファトワは、「誕生日を祝うことは非イスラム的である」ということ。
誕生日や結婚記念日などを祝う行為はイスラームに反するものである。
子供たちが健康に成長したり、結婚生活をつつがなく送れているのであれば、アッラーに感謝をすべきである。
ムスリムにとっての祝祭は、ラマダーン明けのイード・アル=フィトルと、イード・アル=アドハーのみで、
誕生日、結婚記念日、母の日などの他の行事を祝うことは、ユダヤ教やキリスト教の人々を模倣していると見なされ、ハラームである、というのが
グランドムフティー、アブドル アジズ アル シェイフの見解だそうです。
このファトワが出る以前から「誕生日を祝うことは非イスラームである」という考え方をする人が多数派だったのではないかと思いますが、
このファトワが出たことで「誕生日パーティー=ハラーム」という考えが、より決定的になったのではないかと思います。
誕生日のお祝いって「1つ大きくなっておめでとう!無事に育ってくれてありがとう!」という気持ちを持ってするものだし、
ありがとうの対象はアッラーだったりするわけなので、別に誕生日をお祝いするくらいいいじゃん?と私は思うけれどね…
ただ、外に向けてのおおっぴらなお祝いをしないことは、
金銭的な理由でパーティーを開けない家庭が貧富の差を感じたり、無理に出費をすることもなくなるわけで、良い面もありますね。
友達の誕生日に呼んでもらっても、自分の誕生日パーティーをすることがなく、
子供ながらに少々肩身の狭い思いをしていたので、一律パーティー禁止で助かる人がいるというのはもんのすごくわかります。
親も、他の家のパーティーを見てうちもああしなくちゃ!とかやる必要がなくてラクですね。
イスラムでは「milad un nabi」といって
ラビー・アル=アウワル月の12日目(シーア派は17日目という場合もある)を預言者ムハンマドの誕生日としてお祝いすることがあります。
パキスタンでは祭礼として、カッワーリやナァトを詠むなど、色々イベントを行っているのもよくみかけます。
ただ、預言者ムハンマドの後を継いだカリフや、ムハンマドの妻や友人らが、彼の誕生日を祝ったという伝承はないため、宗派によってはこれを祝うことを反対していることもあるようです。
サウジアラビアとカタールを除き、ムスリムが人口の多くを占める国ではこの日は祝日となっています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Mawlid
パキスタンの誕生日パーティー
「誕生日を祝うことは非イスラームである」とはいっても人間だもの、
子供が無事1年過ごせれば嬉しくなるし、それをお祝いしたくもなる。
パキスタンでは、子供の誕生日にパーティーを開く家庭も増えています。
富裕層ではここ数年、パーティーがどんどん派手になってるような気が。
おそらくスマホの普及でSNSなどで写真がどんどんアップされ、たくさんの人に見られる、ということもあり、どれだけ素敵なパーティーを開けるかを競いあってるようで、
レストランを貸し切ったり、風船や造花を使って自宅の部屋をパーティー用デコレーションしたりと、
みなさん気合いの入れ様がすごいです。
競い合いをするのはいいけど、見栄っ張りだと大変ね…(笑)
もちろん、純粋に大事な我が子を全力で祝いたいって言うのと、
自分たちが満足するってのもあるんでしょうけれど。
今はどうかわからないけれど、一昔前は、マクドナルドやケンタッキーでパーティーする人達も結構いたようです。
確か、パーティーメニューがあったはず。
フンザの誕生日のお祝い
フンザでももちろん、誕生日パーティーが開かれることがあります。
同じパキスタンの都会の富裕層の子の誕生日パーティーとは比べると、本当にささやかだけど、みんな楽しそう。
私もパキスタンに住んでいた時に、何度かパーティーにお呼ばれしました。
家族ぐるみで仲良くしてもらってる友人のうちには、子供が4人いるのですが、
もうすでにそこそこ大きくなっていた長男以外の3人は、誕生日に家で小さなお祝いが開かれ、私も呼んでもらっていました。
スマホがなかった当時、私はカメラを持っていたため、実は写真撮影要員として呼ばれたという理由が大きい…
クリームで飾られたスポンジケーキじゃなく、ドライフルーツを入れて焼いた固めのホットケーキみたいなケーキに、
ローソクの代わりにマッチ。
でもみんなキャッキャと喜んでいるし、楽しそう。
ちなみに、お友達からのプレゼント贈呈はありませんでした。
みんなでハッピーバースデー歌って、おめでとうって言って、お菓子食べて、外で(私のカメラで)写真撮影大会しておしまい。
シンプル。
女性や子供は普段遊びに行く先もあまりないし、こういうちょっとしたあつまりが、
みんなの楽しみの一つなのでしょうね。
みんな幸せな誕生日を
お祝いやパーティーをしたり、しなかったり、
人によって・家庭によって、誕生日の過ごし方は様々ですが、
誕生日は全ての人の1年に1度の節目の日。
イスラームで誕生日を祝うことは禁止かもしれないけれど、
子供達にとっては、誕生日って自分が主役になれる特別な日です。
誕生日を祝うムスリム達だって
節目の日に、子供が大きく育ったことを感謝し、その喜びをみんなで分け合いたいとか、
自分の子供が喜ぶ事をしたいっていう素直な欲求を実践してるだけなのでしょうから、
クルアーンに明確に「誕生日パーティー禁止」と書かれているわけでなし、
他の宗教を真似る行為だとか、そこまで大騒ぎしなくたっていいじゃん、と私は思ったりします。
まぁ、そこら辺の考えは人それぞれかな。
誕生日、たとえ特別なことはしなくても、
自分が1年成長したことに感謝しながら、穏やかに過ごしたいですね!
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こころが和む写真だ。
ひろさん
誕生日パーティーの写真かな?
いいでしょ。