こんにちは、スズケーです。
日本でもニュースになっていますが、
2022年夏、パキスタンは、国土の3分の1が水没(冠水)したとも言われる、過去にない規模の大きな洪水被害に見舞われています。
パキスタンの洪水被害と、
募金先についてをまとめておきます。
※この記事の内容は随時アップデートしています。
目次
2022年のパキスタンの洪水被害
パキスタン現地のニュースによると、8月末の時点で、
3300万人が被災、1100名が死亡、100万戸の家屋が破壊、73万頭の家畜消失。
200以上の橋が崩壊、40以上のダムが損傷、
現在は国土の3分の1が水没し、80億㎡の農耕地が失われたとのこと。
なんと、パキスタンの人口約2億2100万人のうち、7人に1人が被災しているということになります。
また、物価の高騰や疫病の流行も始まり、想像を絶する規模の危機が生じているとの報告も。
国連人口基金(UNFPA)は、洪水の被害を受けた地域の50万人を超える妊産婦が緊急支援を必要としていると発表。
9月に出産予定の国内の妊婦は約73,000人。
シンド州では1000以上、バローチスターン州では198の医療施設が被害を受けており、
今後の医療危機が懸念されています。
その他にも、約100万軒の家屋が被害を受けていることから、女性が性犯罪・性暴力に遭うリスクも高まっているそうです。
洪水による経済的損失は180億ドル以上に上ると言われており、
国連もパキスタンに対する緊急支援を呼び掛けています。
数値的な詳しい被災状況は、国連人道問題調整事務所(OCHA)が発表していますので、そちらを参考に。
視覚的にもわかりやすい資料が掲載されています。
パキスタンの大きさは日本の約2倍。
パキスタンの国土の3分の1が水没というのは、
日本だと「北海道以外水没(四国も無事かも)」位の面積になり、すごい範囲で被害が起きているというのがわかります。
パキスタンの洪水の原因
今回起きたパキスタンの洪水被害がここまで大きくなった原因は、大元の原因は地球温暖化。
地球温暖化による、2つの現象が重なったことで被害が大きく広がりました。
- 前例のない熱波と猛暑による、例年の3倍以上の氷河湖決壊洪水(山津波)
- 6月から続いた、例年の7〜8倍の降雨量
パキスタンは、極地を除けば、世界中のどこよりも多くの氷河を有する国です。
北部には7000以上の氷河があるのですが、地球の温暖化に伴い、
数年前より、これらの氷河の融解の危険が懸念されていました。
今年のパキスタンは、平野部で50度を超えるような猛烈な熱波に襲われ、
氷河湖の融解と噴出が例年の3倍にもなる30件以上発生。
あちこちで土砂崩れが起きたり、鉄砲水による橋や道の倒壊が頻繁に起きていました。
それに加え、熱波の影響で、モンスーン期の降水量が大幅に増加。
行き場を失った大量の水は川やダム、湖から溢れ出し、大規模な洪水を引き起こしてしまいました。
浸水解消に3ヶ月〜半年も 長期化懸念
152万の家屋が全半壊するなど、最も大きな被害が出ているシンド州の地元当局が9月11日に開いた記者会見では、
被災地の浸水の状況について「深さがおよそ3メートルになっている地域もあり、人々が戻れる状況ではない」と説明。
海抜が低く平地が多いシンド州の浸水の解消までには3か月から半年かかるという見通しを示しました。
水が引かない中での救援活動は困難を極め、
支援物資の配布が滞りがちなだけでなく、マラリアなどの感染症に悩まされているほか、
田畑が浸水して米や野菜の収穫が不可能になるなど、影響の長期化が懸念されています。
パキスタン洪水2022 寄付・募金先
日本での報道はそう多くはありませんが、すでに国連や各国の支援、国際NGOなどがパキスタンへの支援を始めています。
私達のできるパキスタン支援の方法として、寄付や募金などがあるかと思いますので、
日本からできる募金先をまとめて紹介しておきます。
※随時追加。
ここではある程度大きな組織、実体のある組織の募金先のみ紹介していますが、
この他にも、パキスタン人系・パキスタン人が多く出入りするモスクやレストランなどでも募金活動を行っています。
個人で活動されている方もいるようですので、お知り合いのパキスタン人がいる場合は、声をかけて聞いてみるといいかもしれません。
楽天でも、ポイントを募金できる「楽天クラッチ募金 パキスタン洪水被害支援募金」を行っています(楽天から日本赤十字社に寄付されます)。
PRIME MINISTER’S FLOOD RELIEF FUND 2022
https://www.nbptokyo.com/index.php/2022/08/30/prime-ministers-flood-relife-fund-2022/
パキスタンの現政権による洪水救済基金。備考欄に「寄付」と明記して送金を。
在日パキスタン大使館による公式募金先で、パキスタンナショナルバンクの日本支店が取りまとめ、本国に送金してくれるようです。
AAR Japan(特定非営利活動法人 難民を助ける会)
https://aarjapan.gr.jp/news/7037/
国連に公認・登録された日本生まれの国際NGO。イスラマバードに事務所あり。
テントや食料、衛生用品などの緊急配付を行っている。
社団法人PJF
パキスタン&ジャパンフレンドシップフェスティバルの開催協力をしていた社団法人。関東にあるパキスタンレストランのオーナーらが名前を連ねている。
募金だけでなく物資支援も行っている模様。
日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/2022pakistan/
国際的ボランティア団体による救援金募集。
国際赤十字・赤新月社連盟とパキスタン赤新月社等が実施する洪水災害の救援・復興活動及びパキスタン・イスラム共和国での赤十字の人道支援に使われる。
国連UNHCR協会
https://www.japanforunhcr.org/campaign/pakistan-floods-emergency
国連の難民支援機関・UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のパキスタン洪水緊急募金。カイバル・パクトゥンクワ州を中心に支援。
パキスタンの洪水、そしてアジア・太平洋地域での支援活動に充当される。
国連WFP
https://www.jawfp2.org/lp/emergency3/
国連WFP(国連世界食糧計画)による緊急支援窓口。
食料支援・栄養支援・輸送支援の3つを軸に、いち早く被災した地域に入り、人々に生きのびるための食料を届ける活動を行っている。
宗像財団 : Munakata Foundation
「いまいる世界に居場所がない」と感じているマイノリティー支援に特化した団体。
パキスタンへの直接支援をする非営利法人として、宗像助成金支援先であるGo Green Welfare Societyを通じて迅速に被害地域へ届けている。
一般社団法人ピースボート災害支援センター
https://pbv.or.jp/donate/2022_pakistan
刻一刻と変化する現地のニーズに最適な支援ができるよう、関係機関や支援団体、現地支援団体などと連携し支援を実施。
パキスタンでの緊急支援や防災活動に、長年取り組んできた Church World Service JAPAN (CWS JAPAN)とその現地パートナーと協働で支援活動を行う。
国境なき医師団
https://www.msf.or.jp/news/detail/headline/pak20220901nt.html
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、民間で非営利の医療・人道援助団体。
移動診療を展開して医療を提供するほか、石けんや蚊帳などの物資を配布。また、給水所を設置して清潔な水を提供している。
特定非営利活動法人ジェン
https://www.jen-npo.org/n/news/18832
「生きる力、を支えていく」をモットーに、現地の人びとの力を活かした「緊急期から自立支援」を実施する国際NGO。
現地事務所スタッフが洪水被害の大きい地域で状況調査及び支援の調整中。間近に迫る冬を越すための支援を行う。
特定非営利活動法人CWSJapan
https://www.cwsjapan.org/2022/09/08/pakistanflood2022_2/
国内外で災害対応・防災支援をするNPO。米国に本部を置く。
現地パートナーとともに、被災地シンド州で移動診療車による保健サービスを女性 や子ども等の最も脆弱な人々に提供。
特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム
https://www.japanplatform.org/info/2022/09/151952.html
NGO、経済界、政府の対等なパートナーシップのもと、2000年に発足した日本の緊急人道支援のしくみ。政府からの支援金及び企業・個人の方々からの寄付が、初動活動資金としてJPFより加盟NGOに迅速に提供される
JPF加盟NGOの5団体が現地で支援活動を行う予定。
WWFジャパン
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/5135.html
人と自然が調和して生きられる未来を目指し、生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を世界100カ国以上で活動している環境保全団体。
被災した農業者や漁業者への支援、洪水や土砂災害防止のための森林回復、カイバル・パクトゥンクワ州の14のコミュニティへの支援などを予定。
シャンティ国際ボランティア会
https://sva.or.jp/news/er202209/
子どもたちを対象に、「本」を通じた教育文化支援活動を主軸に、緊急人道支援活動などを行う団体。
現地の支援団体(Khadim Ul Khalaq Foundation :KKF)と協力し、パキスタン北西部の甚大な被害が出た地域で、食料と生活必需品の配布を行う。
お読みいただきありがとうございました!
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