こんにちは、スズケーです。
昨夜新月が確認され、ラマダーン月がスタート。
というわけで、日本は今朝からラマダーンの断食が始まりました。
パキスタンは明日からの様です。
2020年のゴールデンウィークはラマダーンとかぶるので、パキスタンに行く人は、スケジュールに注意をしないとな〜と思っていましたが…
新型コロナウイルスの影響で、ラマダーンどころかそもそもパキスタンに行けなくなってしまいました(パキスタンは現在国際線の乗り入れを規制・停止中)。
それどころか、外出は自粛しよう、という流れに。
ゴールデンウィークの旅行を計画されていて、ギリギリまで粘っていた方もいるのではないかなと思いますが、さすがに今回はもう、諦めざるを得ないでしょうね。
そもそも、もうあまり飛行機が飛んでいないし…
私も「飛行機が安いなら北海道行きたい!」とか思ってましたが、いやいやいや、無理だなー。
っていうか、いつ終息するんでしょうねー、これ。
ラマダーンと新型コロナウイルス
本来なら断食をしつつも、夕暮れ時には友人や家族らと集まって楽しく過ごす期間であるラマダーン。
今年は新型コロナウイルスの影響で、ラマダーンの様子もちょっと異なるものになりそうです。
ムスリムの多い国で、この期間中にも新型コロナウイルスの感染拡大をどれだけ抑えられるのかが気になります。
ラマダーンや、ラマダン期間中の旅行について、どういうものなのかはこちらの記事で確認を。
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イスラム暦で神聖な月とされるラマダンは約1カ月間続く。断食は信徒に課せられた「五行」の一つで、日中に飲食を断つことで貧しい人を思いやる気持ちを育み、神の恵みに感謝する。家族や親戚らと食卓を囲む「イフタール」(日没後の食事)を楽しみ、夜遅くまで人々が買い物に繰り出す。
新型ウイルスの影響でモスク(イスラム礼拝所)や商業施設が閉鎖されている国も多いが、ラマダンは信仰心が高まる時期でもある。宗教や伝統を重んじてモスクでの礼拝や外出をする人が増えれば、感染リスクが高まるとの懸念がある。国連のグテーレス事務総長は11日、ラマダンなどの宗教行事について、「家族が集まり、抱きしめ握手をする機会だが、今はこれまでとまったく違うときだ」と訴えた。
聖地メッカを抱えるサウジアラビアは、ラマダンの礼拝をモスクでなく自宅で行うよう求めている。聖地への巡礼も原則停止している。世界最多の信徒がいるインドネシアではテレビ会議システムを使って指導者の言葉を流して家から礼拝したり、日没後の食事をウェブで共有したりする動きが相次ぐ。一方、4月初旬に当局が禁じたモスクでの礼拝を無視して警察と衝突する騒ぎが起きたパキスタンは人と人の間に約2メートルの間隔を取ることなどを条件に、モスクでの集団礼拝を認めた。
当然と言えば当然ですが、今年のラマダーンは、ムスリムが多い国では集団でのイフタールや礼拝を禁止したりしているようです。
みんなで集まっての礼拝もそうだけれど、
断食明けの食事(イフタール)でも、みんなで集まって一つの皿から食事をとるのはよろしくなさ過ぎる。
パキスタンのラマダーンと新型コロナウイルス
ただ、こういった制限に対し、やはり…と言うべきか、反発する人もいるようで。
先のニュースにも書かれているよう、パキスタンではそういった人々を抑えきることができずに、2m以上の間隔をあけることを条件に、モスクでの集団礼拝が認められることになっているところも…
(パキスタンは国としてのロックダウンはしておらず、州や都市ごとに規制があります。
なのでモスクでの礼拝に関しても、地域やコミュニティによって制限が異なります)
「人と交わらないラマダーン」を受け入れなければ、最悪の状態でイードを迎えることになるかもしれないというのが、未だわかっていないようで、
断食をしイスラームに向き合えばコロナにはならないとか、信仰は感染症をも制すると考えている人もいるんだろう、と思います。
信仰に身を捧げることも、厳しい生活の中で信仰という光を持つことも否定はしないけれど、
ウイルスには信仰心の強さなど関係ないのだよ…
どんなに信仰深かろうが、全く信仰を持っていない人だろうが、病気は平等に人を冒す。
信仰で病気が克服できるのであれば、今、世界はこんなに苦しんでない。
ギルギット・バルティスタンへ戻りたい
さて、フンザの人の多くが属しているのは、イスラームのイスマイリー派(イスマイール派)という宗派なのですが、
イスマイリーの人々は、ラマダーンの断食をしない人も多くいます。
「ラマダーン月に食事を絶つのではなく、いつも心と精神に斎戒を」だそうです。
仕事や学業などでフンザ以外の場所に住んでいるイスマイリーの人々も、やはり断食をしない人が多いです。
自宅や、イスマイリーの人が経営するホテルやレストランで日中こっそり食事をとったりしています。
男女ともに教育普及率が高いフンザでは、大学のためにイスラマバードやカラチ、ラホールなど都会に出て行く若者もたくさんいるのですが、現在、彼らをフンザをはじめとするギルギット・バルティスタン州の自宅に戻そうという動きが出てきています。
ということだそうですが…
多分、これからどんどん暑くなることや、ラマダーンが始まる関係もあるのでしょうね。
現在カラチにいるギルギット・バルティスタン出身の学生は、コロナウイルス検査で陰性と確認の後、政府による移動許可のNOC(No Objection Certificate)が出て、家に戻れるようになるとか。
もちろん、ギルギット・バルティスタン州に到着した後は14日間の隔離。
フンザ以北は、いまのところ新型コロナウイルス感染者をゼロに抑えているのですが、この処置がギルギット・バルティスタン州に感染者を増やすことにならないといいのですが…
それにしても、コロナウイルスの検査会場がなかなかによろしくないよねっ。
一応間隔は空けてあるけどこれ、会場の外とかで知り合いに会ったりしたら、絶対普通に挨拶とかしてるでしょ。
あと、なぜパキスタン人はマスクをしないのか…
新型コロナウイルス感染者数を0に抑えているフンザに、
先日、ギルギット・バルティスタンの州知事とその他大勢がこんな感じで視察に来ていました。
何たる距離感。
パキスタン人はおバカさんなのですか?
もしこの後フンザで感染者出たら、この視察のせいじゃないの…
(この前日に州知事は、感染者数が多いナガルへ視察に行っていました。)
こちらはPTIのお偉いさんがギルギット・バルティスタン州のどっかの村を訪れた時の様子。
距離近いしマスクしてねぇええええw
政治家がこんな風なわけですから、国民に、マスクや人と距離を置くことの必要性を理解せよというのは無理な話なのかもしれません…
こんなんでよく、いまのところ感染者数が爆発的に増えずにすんでるなぁと感心します。
色んな意味で、安寧のラマダーンを
そんなわけで、2020年のラマダーンは、例年とは少し異なる様相となっていますが、
「人と交わらないラマダーン」は、ポジティブに捉えれば、
自分自身に静かに向き合い、信仰のあり方や、日頃の行いを見直す良い機会にもなるのではないかな、と思います。
静かなラマダーンを良く思わない人もいるのかもしれないけれど、
世の中のことは全てアッラーが定めているというのであれば、このコロナウイルスに関する一連の騒動も神が与えたことで、
それに対してどうするのが最善なのかを考え、行動するのがムスリムとしてすべきことなのでは。
皆様、良いラマダーンを。
断食される方は粛々と頑張って!
お読みいただきありがとうございました!
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