こんにちは、スズケーです。
パキスタンは銃が普通に売ってます。
歩いてるとガンショップを見かける事もあります。
護身用に銃を置いているお家も普通にあるので、そういうお家に泊めていただいたりすると、見せてくれるし、持ってるところを写真に撮らせてくれたりします。
個人の銃の所有率も高く、銃を使った殺人率はアメリカと同等かそれ以上。
「パキスタン行くよりアメリカ行く方が(銃を使った犯罪が多いから)よっぽどヤバい」という人も時々いますが、銃関連の犯罪率は、多分そんなに変わんないんですよ。
私がお世話になった方のご家族も、強盗に銃で撃たれて亡くなっています。
パキスタンの銃関連のお話をちょっとだけ。
パキスタンで銃を見る・触る
初対面の人の銃をあずかる
私が本物の銃を見て、触ったのはパキスタンが初めてでした。
一番最初にパキスタンに行った時に、お茶を飲んでた小さい食堂でご年配の男性と相席になり、お茶を飲んでる間に話をしました。
私がその日は一日暇である事を話すと、
「自分は重要な用事があるのだが荷物が重くてあちこち動くのが大変で困っている。
もし良かったら、一緒に来て、少しの間荷物の番をしてくれないだろうか」
と頼まれました。
暇だったし、1時間くらいで終わると言われたので快諾し、おじさんの用事に付き合う事に。
おじさんはサンタクロースのように大きな白い袋を肩から下げていて、中身はずっしりかなり重そう。
確かにこれを持って歩き回るのは大変だよなぁ…と思いながらたどりついた先は郵便局でした。
壁際の椅子に座らされ、白い袋を渡されて、
「絶対にこの袋から目を離さないようにして待っててくれ」
と言われました。
持ってみると本当に重い。そしてなんかガチャガチャ言ってる。
なんかヤバいもんだったら困るなと思って「これ中身何?何の用事なの?」と聞いたら
「銃だよ。登録の手続きに来たんだよ」と言いながら、袋を空けて見せてくれました。
袋の中にはバラバラに分解された状態の銃が。
多分、自動小銃2丁分。
おお…そりゃ重いわ…
これが私の初めて銃を触った経験でした。
銃と一緒に待つ事1時間弱。
おじさんは、パスポートみたいな登録証に銃のイラストのついた収入印紙みたいなものを何枚か貼って戻ってきました。
それが登録証(所持許可証?)だったようです。
日本人だし女だし、パキスタン人にお願いするより安心だと思われたんでしょうか。
銃を見たり、触る機会は結構ある
パキスタンでは警察官や軍人がカラシニコフを下げて歩いているのをよく見かけます。
前述した通り、護身用に銃を置いているお家もあります。
警察官や軍人は、そうそう銃を手放したりしませんが、親しい間柄になれば普通に触らせてくれるし、持たせてくれます。持った状態で記念撮影しても別に怒られません。
(でも多分、そういうことをしてるのがオープンになると問題になると思われます)
護身用に銃を置いているお家では、外国人が銃を珍しがる事をちゃんと知ってるんでしょう。こちらが何も言わずとも出してきて見せてくれます。
特にカイバル・パクトゥンクワ州やバローチスターン州は、AK-47(カラシニコフ)を持っている事は名誉であり誇りでもあるそうで、所持率が高いし、みんな扱いに慣れています。
そんなこんなでパキスタンでは、銃を見る機会が結構あります。
私も結構あちこちで、銃を持って写真撮らせてもらいました。
個人所有の銃は、多分お願いすれば撃たせてくれたりもするんですが、私は興味ないのでパス。
下手したら跳弾で自分が死ぬ可能性もある。
今んとこは一度も撃ってません。
「空に向けて撃てばいいよ」とか「試し撃ちするならあの空き地に向かって撃て」とすすめてくる人もいますが、それも絶対ダメですよ。
空に向けて撃った弾も必ず落ちてきます。
どんなに広い平地で目視できる範囲に人がいなくても、弾がどこまで飛んでいくかもわかりません。
お知り合いの親戚の方だったか、結婚式で空に向けて撃った祝砲の弾が落下してきて、それが脚に当たったって下半身不随になった方がいます。
あたり所が悪ければ普通に死にます。
銃の試し撃ちをするということは、そうやって人を傷つけてしまう可能性があるかもしれない、ということ。
そもそも、遊び気分や興味本位で撃っていいものではないと思います。
銃の所持にはライセンスが必要
街中に普通にガンショップがあるパキスタンですが、誰でも気軽に買えるわけではありません。
銃を製造するにも販売するにも免許が必要ですし、
もちろん銃を購入するにもライセンスが必要で、購入した銃や弾も登録する必要があります。
ただ例によって、書類は偽造される事もあるし、賄賂を払って登録をすり抜ける人もいるんだそうです。
そういう銃が犯罪に使われるんでしょうね。
銃の町 ダラ・アダムケール
パキスタンで有名な銃の町と言えば、カイバル・パクトゥンクワ州のトライバルエリアにあるダラ・アダムケール。
パキスタンで最大かつ最も有名な、密造銃のブラックマーケットがある町です。
ペシャーワルからバスで1時間程だったかと。
もともとは、1890年代にアフガニスタン支配を進めていたイギリスが、アフガンの親英組織のための銃を作らせていた場所ですが、
その後ここで作られた銃は反英組織にも使われるようになるし、アフガンのゲリラ達も使っているとかなんとか。
密造中で有名な町ってどういうことよ?って感じですが、実際そうなんだから仕方ない。
メインの通りにずらっとガンショップが並んでいます。
ロシア製の銃などのコピー製品を作っていて、コピー製品故に正規品よりもとっても安く購入する事ができるんだそうです。
もちろん購入も可能。安いものなら数千円から。
町中は購入前の試し撃ちをしている「ガンッ!」という感じの銃声が聞こえます。
「これなら日本に持っていってもバレない」らしいが、いや、普通に空港でバレると思う。ボールペンに偽装した銃は、人を殺す程の威力はなく「殺傷能力は小動物程度まで」だそう。
今はどうか知りませんが、昔はそこそこ外国人も訪れていたため、
5〜10ドルで10発くらい銃を試し撃ちさせてもらえる場所もありました。
昔はペシャーワルでは、バックパッカーの間で有名な「ババジーツアー」なるものがありました。
ババジーと呼ばれるとあるおじいさんにガイドを頼むと
デコトラ工場、アフガン国境、スマグラバザール(アフガン人のバザール)、麻薬王のお家、そしてこのダラに行くアングラなツアーに連れて行ってくれました。
今は色々厳しくなってるのでこういうトライバルエリアツアーは無理かもしれません。
ツアーをしていたババジーは高齢だったのと、足を悪くしていたため恐らくもういないでしょうが、途中から同様のツアーを初めてババジーのライバルとなったプリンスという男性はまだガイド業を頑張ってるみたいです。
AFPによる、ダラ・アダムケールに関するニュースもありました。
写真も満載なので、興味のある方はどうぞ。
銃が身近なパキスタン
そんなこんなで、私達日本人にとってはびっくりするくら銃が身近なパキスタン。
珍しいものに触れる機会が多いのはいのですが、逆に言えば、自分が銃犯罪の被害者になる可能性もあるかもしれないわけです。
文中に書いた通り、試し撃ちするのもいいですが、危険なので「空に向けて撃つ」なんてバカな事はしないこと。自分が加害者になる可能性もあります。
また、安い密造銃が売っていても興味本位で購入しないこと。外国人だろうが、見つかったら警察に捕まりますよ!
銃の扱いや、銃に関わるときはくれぐれもご注意を。
お読みいただきありがとうございました!
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自動小銃は重いよね。普通の拳銃も重い。鉄で出来てんだから重いのあたりまえか。
ひろさん
うん、思ってたより重かったわー。私絶対撃てない。