こんにちは、スズケーです。
パキスタンやインドでは民族衣装を着用している人も多くいます。
パキスタンで着用されている民族衣装はシャルワール・カミーズ。
既製品も売っていますが、布を買って、自分の体に合わせて仕立てることも一般的です。
慣れていないと仕立ての指示を出すのも面倒だし、思い通りに出来上がらないことも多く、結構ヤキモキするものですが、
何度かお願いしているうちに依頼の仕方もわかってきたり、お気に入りの仕立て屋さんができたりと、フルオーダーするのが楽しくなります。
このオーダーメイドですが、パキスタンやインドでは服だけでなく、靴も安値でオーダーすることが出来ます。
今回は、パキスタンでオーダーしたり、購入できる、クッサー(ジューティー、モジャリ)と呼ばれる革靴の紹介を。
パキスタンの革製品
実はパキスタン、革製品が有名だったりします。
海外にもパキスタン製のレザーが輸出されているし、世界的に有名な海外ブランドもレザー商品の源流を辿っていくとパキスタンにたどりつく…ということも少なくありません。
ウシやヤギ、ヒツジ、シカなどいろいろな種類の皮革を取り扱っていて、品質もよく、ヨーロッパに比べて低価格で手に入ります。
イスラームの祝祭日のイード・アル=アドハーでは、動物を犠牲に捧げ、その肉をみんなで振る舞いますが、この時屠殺された動物の皮も、最終的には革工場にゆだねられます。
パンジャーブ州のインドとの国境にもほど近いシアールコートには、多数のなめし革工場が存在し、高品質の皮革製品を大手衣料品メーカーに供給しています。
パキスタンのエスニックな革靴
革のお値段が安く、そして気軽に加工をお願いできるせいでしょうか、パキスタンでは製靴産業も盛ん。
それはもう、色んなデザインの革靴を購入することが出来ます。
インドやパキスタンに行ったことがある方ならきっと一度は目にしたことがあるであろう、エスニックな革の靴。
クッサー、モジャリ、ナーギラー、ジューティー、ラジャニタニーシューズなどの名前で呼ばれています。
私の印象では、パキスタンでは「クッサー」、インドでは「クッサー」や「ジューティー」または「モジャリ」と呼ぶのが一番通じやすいかなと思います。
男性用と女性用があり、基本となる靴の形そのものはほぼ同じです。
ペイントがしてあったり、刺繍がしてあったり、ラインストーンで飾られていたり…
とにかくカラフルでかわいい!
これらの靴はもちろん、バザールで既製品を購入できるのですが、自分の足のサイズ・形に合わせて、オーダーで作ることも出来ます。
クッサーのサイズ感
見た目がかわいいので、私もインドやパキスタンで何足か購入しました。
クッサーは元々インドやパキスタンの現地の人が履くために作られているものなので、幅が狭め。
幸い私はかなり甲が低くて足幅も狭いのでサイズ感は既製品で丁度いいのですが、日本人は足幅が広い人が多いので、既製品だとちょっとピチピチになりやすいかもしれません。
ただ、クッサーは革で出来ているので、少し小さいくらいならクッサーをお水で濡らしてそのまま履いていると、足の形になじんで伸びてくれます。
ただ、皮は硬めだし、靴擦れもしやすいので、あまりにもサイズが合わないな…という場合は、お金を出して、足のサイズに合わせて仕立てるのがおすすめです。
安ければ1,000Rsくらいから作ってもらえます。
クッサー購入の際の注意点
現地で購入して日本で履きたい!と思う方もいるかもしれませんが…
実際に使う場合はちょっと注意点…と言うか、マイナスポイントが。
マイナスポイントはこれっ!
- 裏面が革のままのものは滑りやすい
- 裏面に縫い糸が出たままになっているものは、糸が切れてしまう
- 濡れると革が伸びるので雨の日は使えない
- ソールがペラペラなので長時間歩くとかかとが痛くなる
とにかく「ソールがちゃんとしていない」というのがすべての問題。
クッサーの裏面は、一般的にはこんな感じになっています。
裏面もそのまんま革で、そして縫い糸が見えているんですね。
革のまんまなので、タイルなどの上を歩くとつるつる滑るし、
縫い糸が見えているので、砂漠の上を歩くだけならいいのですが、アスファルトの道を歩いていると糸が切れて底がパカパカになってしまいます。
そして底はこの厚みのない革一枚なので、全くクッション性がなく、地面に足をつけた時の衝撃が直に足に伝わって、長時間歩いていると痛くなる…
私は一度、名古屋の街中で酷い目に遭いました…
幸いすぐ近くに本屋さんがあったので、応急処置で、瞬間接着剤を買ってくっつけまいした。
足が痛いのと濡れると革が延びてしまうのはどうしようも出来ないのですが、
ソールに関しては、最近は、裏面にゴムが貼ってあるものも売っているので、
日本でも履きたい!という場合は、最低限、裏面にゴムのソールが貼ってあるのを購入しましょう。
例えばこちらの商品なんかは、靴の作りの形はクッサーと同じですが、
日本でちゃんと商品化されて販売されているものです。
見た目のデザイン重視の靴なので、ソールも薄めですが、
歩いていて靴裏が剥がれるってこともないですよ!
インドで買ってきてそのままのものなどが、日本のアジア雑貨屋さんでも売ってますが、
底にゴムが貼ってあるものとないものがあるので、通販などで購入する時は、裏面も確認を!
靴はちょっと高くてもいいので、自分の足に合う、履きやすくて疲れにくいものを買うようにしています。
先日、インドからクッサーを購入し、底の部分に日本でゴムのソールを貼ってもらいました。
ソールがついていないクッサーを買っちゃった場合は、こんな感じで修理ができますので、よろしければ参考に!
私はお店にお願いしましたが、自分でも修理できますよ。
甲が低くて足幅が狭い人って、靴のつま先の「捨て寸」の部分まで足が入っていっちゃうので、つま先が痛くなりやすいのではないかと。私もそのタイプです。
特に少しでもヒールがあったりすると足がどんどん前に滑って最悪ですよね。
なかなか足に合うサイズがなくって、出来れば毎回オーダーしたいくらいなのですがそういうわけにもいかず…
私の場合、普通に売っている靴だと、YOSUKEとあしながおじさんって言うところのパンプスが比較的痛くなりにくいです。デザインによってはワンサイズ下げて買うと丁度いいです。
ハイブランドも注目しているペシャワーリーチャッパル
男性用の革靴で結構あちらこちらで見かけるのがこちら。
ペシャワーリーチャッパル(ペシャーワル・サンダル)と呼ばれるものです。
ペシャワーリーチャッパルは、靴とサンダルの中間のようなデザイン。
これはパキスタン独特のものなのか、私はインドでは見たことがないと思います。
安いやつは底のソールに車のタイヤが使われていたりしてかなーり重さがあります。
その名の通り、ペシャーワルのパシュトゥンの人々を中心に履かれていたものですが、最近では地域を問わず見かけるようになりました。
若い子なんかは、ジーンズにペシャワーリーチャッパルを合わせるのがオシャレ!と言う子もいるんだとか。
私は、見た目がおっさんぽくってあんまり好きではありません。
うちの旦那も、デザインが好きじゃないそうです…
私としてはちょっと意外だったのですが、ハイブランドのデザイナーさん達も、このサンダルに注目してるようです。
ポール・スミスの「ロバートサンダル」や、クリスチャン・ルブタンの「イムランサンダル」など、ペシャワーリーチャッパルからヒントを得た商品が販売されています。
ポール・スミスは元々は「オリジナルデザイン」として発表していましたが、change.orgを通して多数の苦情が寄せられ、後に販売ページなどに「ペシャワーリーチャッパルからインスピレーションを受けた」という表記が添えられるようになりました。
いやいや、これは、インスピレーションを受けたとかそういうレベルではなく、もう、そのまんまパクリではないでしょうか…
ここまでそのまま同じものを作るのであれば、パキスタンの工場に依頼して、パキスタンで制作が出来ないのか?と思いますけどね…
ポール・スミスがロバートサンダルを売り出したのが2014年、
クリスチャン・ルブタンは今年2019年になって発表されたようですが、
ポール・スミスの事件の後に、パキスタンはペシャワーリーチャッパルのデザインを意匠登録とかすべきでしたね。
パキスタンに行ったら、靴屋をのぞこう!
パキスタンにはクッサーやペシャワーリーサンダル以外にも、サンダルやビジネスシューズなど、様々な革靴をお手頃価格で購入できたり、作ったりすることが出来ます。
前述した通り、実用性は微妙なことも多いですが、カラフルでエスニックな革靴はとってもかわいいので、お店を見るだけでも楽しいですよ!
ぜひぜひ一度、靴屋さんをのぞいてみてください。
お読みいただきありがとうございました!
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