こんにちは、スズケーです。
以前ご紹介したことがありますが、フンザには、日本人が設立した学校があります。
1991年にフンザのウルタルII峰で登山家の長谷川恒男さんが亡くなったのですが、
長谷川恒男さんが遺言として残していた「もし自分の身に何かあった時は、土地の人を幸せにする何かをしてほしい」と言う言葉を元に、
奥さんの長谷川昌美さんが設立した学校「ハセガワ・メモリアル・パブリック・スクール」です。
今年の滞在中、諸事情あってこのハセガワスクールを見学してきました。
ハセガワメモリアルスクールを初見学
ハセガワ・メモリアル・パブリック・スクールは、希望すれば見学をすることもできます。
ツアー旅行の場合、ハセガワスクール見学が最初から組み込まれていることも多く、大体の場合、朝礼を見学し、そこで生徒達の歌う日本語の歌を聴かせてもらったりします。
個人旅行者でも気軽に訪れることができるのですが、私は授業後以外、行った事がありませんでした。
日本人が行くと学校の案内をしてくれるのですが、授業を中断させてしまうことも多く(場合によっては授業中の子供達に歌を歌わせてくれたりすることも)、授業の邪魔をすることになるのがイヤだったのです。
なので、授業後しか行ったことなかった。
ただ今回、ちょっと人に頼まれた用事があり、どうしてもハセガワスクールの校長先生または同等の権限を持つ方に会ってお話をしないといけなかったため、
やむを得ず、確実に先生方がおられるであろう授業中の時間帯に訪れてきました。
結果、やっぱり学校を案内されることになり、授業を中断させることにもなってしまったんだけど。
申し訳ない…
ハセガワスクールの副校長室で大騒ぎ
なんで私がハセガワスクールの校長先生など、お偉いさんに会わなければならなかったのかと言うのは、私ではなく他の方の用事なので詳しいことは省きますが、
ハセガワスクールまで行き、門番をしていた方に、
こういう用事があって校長先生か、この話を聞いていただくのにふさわしい方に直接会ってお話をさせていただきたいのですが…と事情を説明したところ、副校長先生が対応してくださることに。
スタッフが副校長室に連れていって取り次いでくれ、自己紹介をしたあとに、頼まれていた用件の話を説明し、そのお話を副校長先生もとても喜んでくれて私の任務は無事完了。
頼まれていた仕事が終わってほっとしつつ、出していただいたお茶を飲んでいたら、ハセガワスクールの先生やスタッフさんが外国人の来客を見にゾロゾロとやってきた。
その中の一人の若い女の先生が私を見るなり「ケイコ!あなたケイコでしょ!?」と。
全く知らない人だったんだけど、
私が昔からよく遊びに行ってるお家の近所に住んでいる方らしい。
そこのお子さんもハセガワスクールに通っていて、丁度先日、フンザで結婚した日本人、つまり私がフンザに来てるという話を聞いたところなのだと言って、
旦那はどこの村の人でどの氏族で、もともとどんな仕事をしていて、旦那は先に日本に戻ったけど私はどこのホテルに泊まっていて…などなど、その子から聞いた私の情報をすごい勢いで同僚の方に語り出した。
で、
「フンザで結婚したのであれば、君はフンザの人だ。
日本人のお嫁さんにぜひうちの学校を知って欲しいし、生徒達に紹介させて欲しい」
という謎の展開になり、
結局、学校内と、授業中の生徒達の様子を案内していただき、3〜4クラスの授業を少々中断させてしまいました…
授業を見学
フンザにはたくさんの外国人観光客が訪れるし、旅行者が学校を訪れることも割とよくあることなので、生徒達にとって、外国人なんて珍しくないだろうな…と思っていたけれど
「外国人と直接話をする」という機会はあまりないようで、
先生が私を連れて教室に入るとみんな興味津々。
先生は全ての教室で私がフンザで結婚しているということを説明するので、さらに大騒ぎになる。
小さい子達のクラスでは「初めてフンザに来たのはいつですか?」と質問してくれたので、
「あなた達が生まれるよりも前だよ」と答えたら目をまん丸くして驚いていました。
面白い。
高学年の生徒達は英語もとっても上手で、すごく綺麗な英語で話しかけてくれました。
が、残念ながら私は英語はあんまりできない。
なので、ウルドゥー語でゴメンねとお断りして質疑応答。
質問の内容も私のプライベートなことではなく、
日本の様子や日本とパキスタンの違いについて、他にどんな国に行ったことがあるのか、
どの国が好きでどんな魅力があるのかなどなど、自分たちの視野を広めるような、世界に関する質問も多くて、へぇっと思いました。
一番印象に残ったのは、とても優秀そうな女の子からの質問。
「日本では男女が一緒に勉強し、仕事も平等だと聞いたけれど本当ですか?
私達もここで一生懸命勉強したら、男性と同じようにいい仕事について、自由に働くことはできますか?」
やっぱり女の子も、働きたい。こんな仕事をしたいっていう夢はあるよね。
どうしようかなと思ったけど、
日本にも男女別の学校はあるけれど共学が多いこと、
男と女はそもそも体の作りや体力的な面で違いがあるので日本とはいえ完全に平等ではないけれど、仕事によっては男女の隔てなく対等に働けること、
私自身は専門職・技術職なので、仕事の上で完全に男女の差はなく結果が全て。結婚前は同じ歳の男性よりかなりいいお給料をもらっていたことを説明した上で、
「パキスタンでも都会に行けば、バリバリ働いている女性は増えているよ。頑張って働いて結果を出して、海外で働くチャンスを得た女性もいるよ。
勉強をしっかりして、そして周りに何を言われても諦めずに行動をする強い心を持っていれば、あなたがそういう女性になれるチャンスを、神様はきっとくれるよ」
と答えておきました。
絶対なれる、夢は叶うとは私は断言できないので、肝心なところを神様に託してしまった。
でも、この彼女が何か夢を持っているのなら、叶うといいな、と思う。
授業の中断をさせてしまったのは申し訳なかったけれど、その分、
私の話したことがちょっとでもいいので、
生徒さん達の参考になったり、何かに興味を持ってもらったり、新しいことを始めるきっかけなんかになってくれているといいのですが。
無理かな。
みんなの夢や目標が叶いますように
フンザでも働く女性は増えているけれど、そもそもの働く場所が少ないし、
学業の途中で結婚する女の子もまだたくさんいます。
旦那の妹や、弟の奥さんもそんな感じ。
彼女達は自分で希望して結婚しているけど(特に弟夫婦は恋愛結婚なので)、
そうではなく、
親が言うので断れず結婚…と言う女の子もやっぱりいる。
そういう事がなくなって、女の子達が自分の夢や目標を諦める必要がなくなるといい。
もちろん男の子達も、頑張って学んで、希望の仕事につけるようになるといい。
今、学校で学んでいる子供達は、
多分きっと、私が初めてフンザを訪れた際に出会ったフンザの人とは、
また全く違った”新しいフンザの人”になるんだろう。
私はフンザの大きな変化の過渡期に立ち会っているわけだけれど、
変化したフンザを担うであろう子供達のいる学校を見学・お邪魔させてもらって、
この先もどうなっていくのか、まだしばらく見ていけるといいな、と改めて思いました。
長谷川恒男さんに関してはこちらの本でも詳しく知ることができます。
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長谷川スクールにまで顔がきくとは!フンザのヌシ化してるよ。すずけーさん。
ひろさん
いやいやいや…
普通に部外者としてお願いに行ったんですよ…
昔はとても仲のいいお家の奥様がここの先生だったんだけど、今はその方の勤め先の学校も変わっちゃったしね。