こんにちは、スズケーです。
2018年11月より、中国・パキスタン経済回廊(CPEC=China Pakistan Economic Corridor)の一環として、
パキスタンのラホールと中国のカシュガルを結ぶ、国際バスの運行がスタートします。
中国・パキスタン経済回廊の説明も入ってるので、
そこら辺興味なくて、旅行情報だけ欲しい人は、目次を使ってすっ飛ばして読んでください。
中国・パキスタン経済回廊とは
中国・パキスタン経済回廊(CPEC=China Pakistan Economic Corridor)とは、
中国が支援する、パキスタンの総合インフラ開発計画のこと。
中国が掲げている、ユーラシア大陸を一体化した経済圏「一帯一路構想」を支える重要な計画の一つです。
一帯一路構想(真珠の首飾り)
「一帯一路構想」とは、アジアと欧州を結ぶ陸路の「シルクロード経済ベルト」と、海路の「21世紀海上シルクロード」を中国の影響下に置き、中国が基点となる国際社会、経済の創設を目指すもの。
中国の習近平国家主席が提唱しています。
パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマーなど、インド洋沿岸国の港湾建設などを積極的に支援していて、
その拠点の位置関係が、中国と良好な関係を築いているとは言えないインドを取り囲むようになっていることから、インドからは「自国の包囲網だ」と強い反発を受けています。
別名は、インドを包囲する「真珠の首飾り」。
中国・パキスタン経済回廊
中国・パキスタン経済回廊とは、
中国北西部の新疆ウイグル自治区カシュガルから、パキスタン南西部バローチスターン州のグワーダルまでの約3000キロに沿う地域のことをいいます。
この地域は両国間をつなぐ、道路、鉄道、石油・天然ガスパイプライン、光ケーブルなどを含む貿易回廊で、
中国はこのエリアで道路・鉄道・工業地帯等のインフラ建設を支援し、カラコルムハイウェーやグワーダル港などを開発する計画となっています。
この開発が完了すれば、中国は自国からインド洋への玄関口を得ることになり、
パキスタンは経済成長の足掛かりを掴むことができる、というのが中国の意見です。
ただ実際には、中国は開発に関わる業者を自国の建設業者に限定するなどの条件をつけた一方的な融資を拡大していて、パキスタンはこれに関する中国からのローンや輸入が急増。
現在は対中国債務の増大による財政や政治への副次的影響に悩まされていて、
パキスタンのイムラン・カーン首相による新政権は、中国側に有利になりすぎている中国一帯一路関連の契約全般の見直しを望んでいます。
10月にはイムラン・カーンがサウジアラビアを訪問し、中国・パキスタン経済回廊への参画と投資を要請。
総額60億ドル(約6700億円)相当の経済支援を受け入れることで合意しました。
これらの詳細はニュースサイトで詳しくどうぞ。
ラホール・タシュクルガン国際バス
今回運行がスタートするパキスタンのラホールと中国のカシュガルを結ぶ国際バスも、
中国・パキスタン経済回廊事業の一環だそうです。
政府運営ではなく、民間会社・North-South Transport Network(Pvt)Limitedによる運営。
North-South Transport Network(Pvt)Limited
- 住所:403, Third Floor, Liberty Tower, 20A/D-1, Sir Syed Road, Gulberg-III, Lahore-Pakistan.
- 電話:+92 42 35755051-35756541
- http://nstn.pk/
当初は11月3日(土)より運行開始のはずだったのですが
ここ数日のパキスタンの治安の関係で延期となり、今のところ11月5日(月)運行開始予定。
ラホール〜タシュクルガンのバス旅は約30〜36時間で、
片道13,000Rs、往復23,000Rs。
手荷物は20kgまで。
週4日運行。
ラホール発 | 月・火・土・日 00:00 ラホール |
---|---|
タシュクルガン発 | 火・水・木・金 11:00 タシュクルガン |
ラホール、ラワルピンディー、イスラマバードで乗降車が可能。
朝・昼・晩の食事と、紅茶やジュース、スナックなどの提供サービスあり。
高速wifiも使用可能。
1週間前に予約すること。
乗車にはパスポート、NIC(パキスタン人の身分証明書)、バスチケットが必要。
左右1シートづつなので、バスはちょっとデラックスかも。
所要時間は30〜36時間ということですが、
途中9カ所で停まるということだし、実際にはもっと時間がかかるかと思われます。
予定通りだと、ラホール発のバスがスストに着くのは真夜中で
当然国境は開いていないだろうから、
多少運行スケジュール遅れたとしても、ここで時間調節するみたいですね。
どうするんだろう?
外国人旅行者も利用できるかどうかは現在のところ不明です。
もし利用できるなら、少々バス代は高くつきますが、
インドからパキスタンに入った後、ラホールからフンザ、そして中国まで一気に行ける事になります。
ただやっぱり、一度イスラマバードやラワルピンディーに立ち寄って、
そこからフンザまでの長距離バスに乗り換えた方が、断然安いです。
1週間前から予約しないといけない事や、お値段を考えると、
バックパッカーにはあんまり関係ないことかもしれませんね。
とりあえず、こういうアクセス方法もあるよ、ということで。
ラワルピンディーからフンザへの一般的な行き方はこちらで確認できます。
ちなみにちょうど本日、雨の影響により、カラコルムハイウェイで30箇所以上の土砂崩れが起きていて、実質封鎖中です(コースターなどの小型車は通れそう)。
何年も前から何度も通っているけれど、道はちっとも整った感じはしないし、
少なくとも私は、カラコルムハイウェーに関しては
中国・パキスタン経済回廊事業によるインフラ改善はあんまり感じられません…
お読みいただきありがとうございました!
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全然カンケーないけど今失業中なんだ。でも仕事が見つかりそうだ。少し貯金があればどこかのイスラム教国にでもいって旅したかったな~。フンザもいいよね!
ま、お金がないからまた今度だね。インシャラ~
秋のフンザはきれいだろうな~。
頑張って働いてお金ためて一緒にフンザ行こうよ〜。
秋のフンザ、黄金色で綺麗だよ。
寒いけどね…
これは初耳でした!にしても私的にはバス乗ってる時間が長すぎてちょっと選択肢には入りませんね(笑)
>HEROさん
バスはラワルピンディ〜フンザで30時間かかる事もあるうえ、
ラホール〜ラワルピンディー:4時間、
フンザ〜カシュガル:8時間
かかる事を考えると、
30〜36時間でラホールからカシュガルに行けるとは、とてもじゃないけど考えられませんね…
ナラーン経由だともう少し早いですが、
その場合冬は通れないですし。
外国人締め出ししているし、入れても中国大使館で入境証がいるのではないかと思います。これは中国人商売人がたくさん荷物を運ぶためのものではないでしょうか?
>坪野和子さん
10月末の時点でも
カシュガル、タシュクルガンを通ってフンザに来る旅行者はいましたし入れます。
カシュガル→タシュクルガンはパーミットがいりますが、そもそもこのバスはタシュクルガンまでです。