こんにちは、スズケーです。
私は結婚を、日本ではなくパキスタンで先にしています。
シャハーダ(信仰告白)はしていないですし、ムスリムではないんですが、
フンザで二カー(イスラームの婚姻契約)をしました。
先日ふと気がついたのですが、
結婚した時にニカーナマ(結婚証明書)に書いたマフルの金額を、私はパキスタンルピーで明記しているのですが、
日本円に対しパキスタンルピーの価値がどんどん下がっているため、
日本円換算すると、私のマフルの後納金がどんどんどんどんどんどんどんどん減っているようです…
まぁ離婚とかしなければあまり関係ないからいいんだけど。
ニカーナマとマフル
イスラームでは結婚(二カー/NIKAH)は契約であり、婚姻契約を結ぶと、ニカーナマ(NIKAH NAMA)という結婚証明書が発行されます。
大体の場合二カーはモスクで行われるので、その二カーを執り行ったモスクのイマームがニカーナマを作成してくれます。
私の場合、私がイスマイリーではなく、イスマイリー派の人々の集会所兼モスクであるジャマットカーナに入ることが出来ないため、
二カーは旦那の家にカリパ(宗務を行うお役人さんみたいな…?)が出向いてくださり、家で二カーを行いました。
ニカーナマは、そのカリパが作成しています。
ニカーナマ
ニカーナマは「二カーをしたよ、結婚したよ」という証明書です。
ニカーナマには、
二カーが執り行われた日時、新郎新婦の氏名と住所、職業、婚歴、父親の氏名、新郎・新婦の後見人と証人(立会人)の氏名、マフル(結納金)の額やその他の契約についてなどが記載されます。
ニカーナマは、結婚の証明書でもあるのですが婚姻契約書でもあり、その中に結婚に関する条件などを記載することが出来ます。
財産の取り扱いや離婚の条件についてはもちろん、生活上に関することなども取り決め、記載することが出来ます。
新郎・新婦がニカーナマに書かれた内容に承諾し、署名をし、
その後、二カーを執り行った宗務責任者と証人(立会人)も署名を行い、二カー完了。
婚姻が成立します。
ニカーナマは、自分たちも写しをもらえますが、オリジナルはモスクに保管されるようです。
私達は国際結婚で、旦那の日本の配偶者ビザを取得するために、ニカーナマを提出する必要もあったので、
後日、町役場みたいなところで「宗教上だけでなく、法的にも有効な書類ですよ」という認め印を押してもらいました。
公正証書になった、みたいな感じでしょうか。
婚前契約書は、日本でも、日本人同士の結婚でも作れます。
欧米では「プレナップ」と呼ばれて、作成する人も結構多いみたいです。
こちらの本とかも、二カーする前に読んでおくと参考になるかもしれません。
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私の場合、婚前契約として、第二婦人を娶ること(重婚)は不可、ということをニカーナマに記しています。
他に「離婚の権利」についても書くところがあるのですが、私のニカーナマは「妻から離婚を請求することは出来ない」になっていました。
イスラーム的には、私からは離婚したいと言えないらしい。
別に今んところ離婚するつもりは微塵もないのでいいんですが、これ、二カーの時に聞かれなかったんですけど…
マフル
ニカーナマに書かれる内容で、良くも悪くも話題になりやすいのがマフル(MAHR)です。
マフルというのは、結婚する時に花婿から花嫁に贈られる婚資のことで、簡単に言えば結納金のような物。
現金でもいいし、宝石や貴金属などの物品とか不動産とかでもOKです。
マフルの支払いなしに結婚契約は成立しません。
マフルは妻となる女性自身の財産となり、夫は結婚後もこのお金に手をつけてはいけません。
マフルの支払いは一括で前納して結婚時に支払うだけでなく、後納することもできます。
ただ、離婚となった際には、その女性の今後の生活のために、未納金がある場合はすべてを支払わなければなりません。
マフルの額は人それぞれで、とってもささやかな額の夫婦もいれば、目ん玉飛び出るくらいの額の場合もあるようです。
その人達の経済状況に見合う中で、できるだけたくさん…という感じが多いよう。
マフルの金額は、年々高額化する傾向にあり、中にはこのマフルをしっかり支払うことができないために、結婚が遅れる男性もいるのだそうです。
国際結婚とマフル
先ほどマフルについて「良くも悪くも話題になりやすい」と記しましたが…
日本でも、ムスリムと国際結婚する場合にマフルは何かと話題になりがちです。
何故かと言うと、イスラームの知識のない日本人と結婚する際に、
作為的にマフルについての説明をせず、雀の涙のような金額しか記載させないという心ない外国人ムスリムが、残念ながら存在するからです。
母国だとそれなりの額のマフルを支払わなければいけないけれど、何も知らない外国人女性相手なら支払わずに済むと思ってるとかね。
日本で外国人ムスリムと出会い、イスラームに入信して結婚する日本人女性の中には、イスラームについての知識がほとんどない人もいます。
本人に自分から積極的に調べよう、学ぼうという意識がない場合、その日本女性のイスラームの知識は、相手の男性から伝えられるものだけとなります。
相手の男性が誠実な方ならいいのですが、
中には自分の都合のよいこと・都合の良いように解釈したことしか教えないという人もいて、
本来二カーの際にきちんと話し合って決めるべきマフルも「手数料」とかそんな適当な説明のみで、100円とか1,000円とか書いて済ませてしまったりするケースがあります。
それで夫婦仲がつつがなくいけばいいのですが、
実際離婚になった時に「ニカーナマに書いて、あなたも納得してサインをしたはずだ」といって、雀の涙のような金額のマフルのみを支払い、慰謝料や財産分与を拒否されることもままあります。
私のマフル
さて、私のマフルなんですが。
私は事前にある程度イスラームに関する知識もあり、マフルに関しても把握をしていました。
なのでマフルは私の言い値を旦那が了承し、それを記載してあります。
イマドキ日本で結納をしたり、結納金を贈ったりっていうのはもしかしたら少ないのかもですが、
日本の結納金の平均額を、当時のパキスタンルピーのレートに換算したものを後納分としてニカーナマに記載しました。
もちろんそれはパキスタン、それもフンザではそこそこかなりな金額なわけで。
私が後納はこれだけ、とその金額を告げた時、
旦那はちょっとキョドリつつも、離婚時に支払う後納なら大丈夫だとOKしました。
が、旦那の親戚達は高すぎる!と大騒ぎ。
「普通フンザでは1万ルピーくらいだ」と言われました。
(いくらなんでも1万ルピーはフンザでも少なすぎるんじゃない?って気がするが。)
あんまりうるさいので
そもそも結婚してマフルを支払う本人がいいって言ってるのに、なんで他の人が高すぎるって騒ぐの?
それに私、離婚する時に払ってって言ったでしょ。すぐに離婚するから高いと困ると思ってんの?
って言ったら黙りました。
めっちゃ空気悪くなりましたが。
私のニカーナマが「妻から離婚を言い出す権利はない」ってなってて、二カーの時、誰もこれについて私に確認してくれなかったのは、この時の仕返しでしょうか。
パキスタンルピーを財産にするのはリスクが高い
ただマフルに関してちょっと失敗しちゃったのが、冒頭で書いた通り、
ニカーナマに記載するマフルの額を、うっかりパキスタンルピーで記載しちゃったこと。
結婚した当時に比べ、日本円に対してのパキスタンルピーの価値がどんどん下がっているため、
現在、日本円換算した場合の私のマフルの額が、絶賛目減り中です。
日本円かUSDで記載すべきでした。クソッ。
色々しっかり考えて決めたはずだったのに、まさかこんなミスがあったとは…というオチ。
これからパキスタンで二カーする日本の方は、どこに住むのかにもよりますが、
マフルはパキスタンルピーではなく、日本円とかドルで記載するのを私はおすすめいたしますっ!
パキスタンルピーを財産にするのは、まだまだちょっとリスクが高そうです。
結婚前にインドやパキスタンを旅行してた時は、
インドルピーは1Rs≒3円、パキスタンルピーは1Rs≒2円の時とかもありました。
例えばフンザのホテルやレストランの物価なんかはパキスタンルピーで見ると5〜10倍に上がってるのですが、日本円換算してみると実は2〜5倍くらい。
うん、まだなんとか旅行できそうです。
国際結婚する時は、もし相手の国の文化や習慣、宗教に興味がなかったとしても、
結婚生活をより円滑なものにするために、そして自分自身を守るためにも、
ある程度は知識として調べて知っておいた方がいいですよ!
日本での、パキスタン人との結婚手続きに関してはこちらで紹介しています。
お読みいただきありがとうございました!
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結婚するときいろいろ大変だったんだね。ところで物価もそんなに上がったんだな~。自分はいい時に旅行に行って遊んできたなと思うよ。いま世界中で物価が上がってるよ。とほほ
ひろさん
昔、フンザのゲストハウスで30Rsだったオムライスが、今300Rs以上になってるよww