こんにちは、スズケーです。
まだまだ終息しそうもない新型コロナウイルス騒動。
日本では徐々に感染者が減り、緊急事態宣言も順次解除されつつありますが、
パキスタンは現在、どんどん感染者数が増えつつあります。
秘境系ツアーを催行している旅行会社さんの中には、6月あたりから
パキスタン(フンザ)ツアーを計画しているところがありますが、
果たしてツアーは催行されるんでしょうか…?
パキスタンの新型コロナウイルスの現状
パキスタンは現在もどんどん新型コロナウイルスの感染者が増えています。
全世界的にみると感染者数は19位。
アジアでみると、インド、中国に続き、パキスタンが第三位です。
毎日の感染者数が徐々に減ってきている国もある中、
ここ数日パキスタンは毎日2,000人以上感染者が増えているので、もうちょっと順位は上がっていくでしょう。
にも関わらず、5月7日、パキスタンのイムラン・カーン首相はパキスタン国内のロックダウンを段階的に解除することを発表。
「貧困層がこれ以上の封鎖を生き延びることは困難である」とのこと。
確かに確かに。
貧困層だけでなく、一般層だって厳しいと思いますよ…
ロックダウンを解除するものの、
国民には責任を持って行動するよう要請し、場合によっては再びロックダウンするとも伝えましたが、
ロックダウン中のモスクでの集団礼拝を制限したらプチ暴動が起きちゃうくらいですから、国民自身が考えて自粛するなんて、残念ながら無理でしょうね。
政府の対応に関して、科学者や医師からは、感染ペースが加速して同国の脆弱な医療システムが崩壊する懸念があるとして、厳しい批判が起きていますが、
制限したって、言うことを聞かない・理解しない国民も多くいるんだもん、仕方ないじゃん…って気もします。
ラマダーンやイードと、コロナウイルス感染者数の増加
これはパキスタン政府の新型コロナウイルス関連の情報サイトに掲載されている、
パキスタン国内の毎日の新規感染者数を表したグラフなのですが…
5月に入ったあたりから感染者数がジワッと増えています。
今年のパキスタンのラマダーンは4月24日からスタート。
宗教家らから強い反対の声が上がったために、ラマダーン期間中の集団礼拝を禁止できなかったし、
国民の中には「ラマダーンだからマスクはしない」と言ってる人もいたようで、
そういった結果が数に出てるのではないか…と思います。
パキスタン モスクでマスクつけず礼拝 後を絶たず 新型コロナ
イスラム教徒が多いパキスタンでは、宗教行事の「ラマダン」が始まり、多くの人々がモスクを訪れていますが、「祈ることで新型コロナウイルスの感染拡大を防げる」として、マスクをつけない人が後を絶たず、医療関係者は懸念を強めています。
パキスタンでは、先月25日からイスラム教徒が日中の飲食を断つ断食月「ラマダン」が始まり、各地のモスクではマスクの着用などを条件に礼拝が認められていますが、一部でマスクをつけずに礼拝する人が後を絶たないことが問題となっています。
首都イスラマバードのモスクを訪れた男性は「信仰心が高まるこの時期に祈れば、感染拡大を防げると信じています。ラマダンの期間中はマスクの着用を控えます」と話していました。マスクをつけない人の中には、貧困から買うことができない人もいるということですが、医療関係者からはモスクで集団感染が起きることを懸念する声が出ています。
イスラマバードにある病院の医師は、NHKの取材に対し、「集団感染の防止対策をとるよう政府に訴えている。感染が広がれば、患者を収容しきれずに医療は崩壊するだろう」などと話しています。
引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200508/k10012421261000.html
こちらは友人が送ってきてくれた、5月19日前後のパキスタンの都市・ラワルピンディーのラジャバザールの様子。
途中で横になっちゃうのでちょっと見にくいですが…
普段より混んでるな!
ロックダウンが解除されてみんな一斉に外に出るようになったのと、ラマダーン明けのイードの準備のために大混雑しているみたいです。
一応コロナ予防にマスクをしてる人もいるけれど、してない人が大半。
これはよろしくおりません。
「知識がない・考えない・理解しない」というのは怖いな、と思う。
無知であることが人を殺す。
まぁ絶対ないでしょうけど、イード後に感染者が減っていけば「礼拝をきちんとしたからだ。ムスリムはコロナにならない」とつけあがり、
感染者が増えれば「信仰が足りていない。政府が礼拝を制限しようとしてラマダーン中に十分に礼拝ができなかったせいで、祈りが届かなかった」といい、
なんにせよ信仰は全て正しく、全てのことは信仰で解決できると思ってんだろうなと思います。
信仰で感染症が防げるのなら、今、世界はこんなに苦戦してないと思うよ…
こういう人ら的には”聖なるモスクでの感染”などあるわけないので、決して
ラマダーン中のモスクでの集団礼拝も、感染者を増やす原因となっているであろうことは認めないでしょう…
ただねー、信仰で、祈りで新型コロナウイルスが防げるというのならば
なぜメッカは、カーバ神殿は、人の出入りを制限しているのか、ということをよく考えるべし。
聖なるメッカでも巡礼や集団礼拝での感染の危険があると考えているから制限してるんでしょう。
パキスタンのモスクでだって感染するに決まってるじゃん?
明日か明後日にはパキスタンもラマダーンが明け、イードを迎えますが、
イードのために親戚や友人らで集まったりして、まぁこれも感染者をぐーんと増やすきっかけになるのでしょうねぇ…
フンザの状況
フンザでも、ゆっくりとロックダウンが解除されつつあり、段階的に商業活動が再開しています。
ただ、外出したりお店を開けたりしてOKなのは夜18時までで、夜間は自宅で過ごすようにとなっているようです。
ただ、フンザは観光業に携わっている人が多く、当然まだまだ旅行者なんていません(そもそも、単なる観光目的の人をフンザの地区内に入れることが、今OKなのかどうか…)。
旅行者がいないまま春が過ぎ、景色はすっかり夏模様。
うちの親戚で観光業に携わっている人なんかも、全く仕事がなく、ここ数ヶ月は完全に無収入。
それでも政府からの金銭援助はなく(貧困層にはお金の給付がありましたが、アレはあくまでも「貧困層」や「病気で仕事ができない」人のためのもので、普通の人が「コロナのせいで仕事がなくなった」というのでは、給付金はもらえないようです)、
もんのすごく困っています。
フンザの一般の人的には、早く観光客を入れてほしい感じでしょうが、
フンザ、と言うかイスマイリー派の体制は結構厳しめだったりするので、そうそう簡単には外部からの人の出入り完全OK!にはならないでしょうね…
ちなみに、フンザの感染者数は11名。
ずーっと感染者数0だったのに、5月に入って感染者が出ました。
以前の記事で紹介した、ギルギット・バルティスタンの州知事の視察が関係してるんじゃないの…とか思わないでもない。
その後、カラチからもたくさんの学生達が帰って来ている事も関係しているのか
ジワジワと感染者が出つつあり、不安に思っている人もいるようです。
夏のパキスタン旅行はできるのか?
現在も感染者数が増えているパキスタン。
ロックダウンも解除されてしまったし、おそらく6月中はもっと感染者数が増えるのではないかと私は思っています。
6月中に予定されているツアーに関しては、現時点ですでにパキスタンに出入りしているほとんどの国際便が6月下旬までの運休を決定しているので絶対無理でしょうし、
7月催行予定のツアーも、6月中にパキスタン国内の感染者がどんどん増えて中止になってしまう可能性が高いんじゃないかな…と思っています。
フンザツアーの場合、現時点ではフンザに入るのに14日間の隔離が必要になると言う点でも、2週間程度の短期ツアーで行くのはちょっと無理ではないかと。
また、5月22日には、パキスタンやインドの感染症危険情報が、4段階で2番目に高い「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げられました。
レベル3の国から日本にくる場合、外国人は入国拒否、
日本人はPCR検査と、結果判明までの待機と、陰性だったとしても14日間の待機が必須となります。
14日間の待機と言っても、日本の場合自宅での待機も可能で、
本当に家から一歩も外に出ないで14日間待機できてるかなんて、公的に確認されるわけではありませんけど…
あくまでも自己管理。
でも万が一、感染症危険情報レベル3の国であるパキスタンへのツアー参加者に感染者が出たり、PCR検査は陰性だったのに14日間待機をちゃんとしないでその後発症…なんて人が出たら
その人がネットで叩かれまくるのは勿論、ツアーを主催・催行した旅行会社も確実に中傷されますよね。
そういう危険がある中でツアー催行するのはかなりリスクもありますし、
少なくとも7月中のツアーは中止になっちゃうんじゃないかな…と思っています。
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旅行は当分無理そう
なかなか終息しないどころか、世界的にみると悪化してるのでは、と思われる新型コロナウイルス騒動。
色んな国で経済にも大きく影響が出ています。
なかなか難しいことかもしれませんが、早いとこ、どうにかなってほしいものです。
せめてっ!
ラマダーン及びイードのあとに、パキスタンの感染者数が一気に増えないといいな…と願っています。
海外旅行を検討されている方も、もう当分は諦めた方がいいんじゃないの…って思いまっせ。
もうちょっと落ち着いてから、何の心配もなく行った方が、旅行も心から楽しめるんではないでしょうか。
お読みいただきありがとうございました!
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