こんにちは、スズケーです。
日本は暑さも和らぎ、ゆっくりと秋の気配を感じられるようになってきましたが、
パキスタン北部、フンザも徐々に気温が下がり、短い秋を経て寒さの厳しい冬へ向かおうとしています。
気温が下がり始めると、フンザのメインの観光シーズンも終了。
もちろんフンザは四季折々の美しさがあり、秋の紅葉なども素晴らしく、もう1ヶ月ちょっとはそれなりに旅行者は訪れますが、
ここ数年のメインゲストであるパキスタン人国内旅行者は、やはりフンザへは避暑をかねて訪れるということもあり、
下界の暑さが和らいでくるとフンザまで足を伸ばそう、と言う旅行者も一気に減ってしまいます。
フンザの四季に関しては、こちらの記事で紹介をしています。
基本情報もこちらでどうぞ。
一面が黄金色に染まるゴールデン・フンザはとっても美しいので、時間がある方は、ぜひ秋のフンザにもお立ち寄りを!
今回は、2019年のフンザの旅行シーズンから思うまとめを。
目次
2019年のフンザ観光シーズン 所感
パキスタン人旅行者によるフンザ人気もピークを過ぎた?
ここ数年、フンザはパキスタン人の国内旅行者の大ラッシュで、
2017年の夏などは、フンザについたものの泊まる宿がなく、車の中で寝ることを余儀なくされる人もいたくらいの大混雑だったようですが、
そのフンザフィーバーも徐々に落ち着きを見せ、今年の夏はこれまでの夏のような猛ラッシュにはならなかったようです。
友人らのホテルも、満室でない時はもちろん、宿泊客がゼロ、という時もあったよう。
旅行代理店やドライバーなど、観光業に携わる友人や親戚は忙しそうにはしていましたが、それもここ最近の夏に比べれば比較的落ち着いていたような印象です。
2016年、2017年あたりの夏は、超繁忙期など、タイミングによってはフンザでの宿泊先の確保にちょっと不安があったりしましたが、
今後はそこまで心配しなくても良さそうです。事前予約も特にしなくて大丈夫そう。
他州でも観光誘致
フンザがパキスタンの人気の旅行先であるというのはもちろん今も変わらないのですが、
観光事業に力を入れたいパキスタン政府、今年はフンザだけでなく、ハイバル・パフトゥンハー州などでも観光誘致のPRを積極的に行っていて、
おそらくその影響もあり、パキスタン人国内旅行者の行き先が分かれたのではないかなと思います。
ハイバル・パフトゥンハー州にも、ナラーン、カガーン、ショグラン、チトラール(カラシュバレー)、ペシャーワル、ハイバル峠などなど、美しい街、渓谷や湖、山々はたくさんありますからね…
タフティバーイやロータスフォートなど、遺跡もありますし。
そして何より、フンザに行くよりもハイバル・パフトゥンハー州の観光地の方が、圧倒的に距離が近いですから。
海外からのツアー客が増えた
ここ2〜3年と比較すれば、パキスタン人の国内旅行者は減っているものの、一昔前に比べればフンザは断然旅行者で賑わっています。
東南アジアや中国方面からの団体ツアー客も増えました。
もちろん日本や欧米圏からのツアー客も訪れますが、
タイやマレーシア、中国人の団体客をとてもよく見かけるようになった印象です。
海外からのバックパッカーはちょっと減ったかもしれません。
日本からのツアー客は増えもせず減りもせず、これまで通りっていう感じ。
西遊旅行さんなどが、どんな年でもコツコツとフンザ行きのツアーを催行しています。
観光地化したカリマバード
旅行者が増えたゆえ、カリマバードはすっかり観光地化してしまいました。
結婚前から10年以上、フンザに足を運んでいるけれど、明らかに変わった。
これに対しては賛否両論。
変化を受け入れている人もいれば、受け入れていない人も。
当初、現金収入の機会が増えたと喜んでいた人の中にも、あまりの急激な変化に、疑問や不満を感じ始めた人も少なくはありません。
パキスタン人旅行者のためにピザやパンジャーブ料理のレストランができ、彼らは静かなフンザの夜に、遅くまでガンガン大きな音でインドの映画ソングを響かせる。
あちこちで普通にゴミのポイ捨てをする。
夜間のイルミネーションが増え、代わりに減ってしまった星。
女性に簡単に声をかけるフンザの男性も増えました。
みんな忙しくなって、昔みたいにゆっくり話ができなくなったのはさみしいなって思っています。
急激に観光地化するフンザに心配の声を上げる地元メディアの記事も。
整わないインフラ
観光地化はどんどん進んでいるのに、インフラ整備は全く追いついていません。
電気事情は前より悪くなってるんじゃない?ってくらい停電が多いです。
氷河の拡大の影響で、ハサナバードにある発電所が上手く稼動していないのが原因。
最近のフンザは自然災害も増えている感じです。
ただ、今はどこのホテルもお客様がいる間はジェネレーターをつかったり、UPSで蓄電しておいて最低限の電気はつくようにしておいたりと、それぞれ工夫はされています。
夜間の停電の際も、LEDのランタンなどがあるので、昔みたいに停電したらロウソクに火をつけることはなくなりました。
ホテル、今から作って大丈夫?
2019年春に旦那とフンザへ里帰りした際、フンザの観光フィーバーに乗じて、これからゲストハウスを作ろうとしている人達がまだまだ結構いました。
が、今年のフンザの状況を見ると、ゲストハウスの数はもう十分なのでは、という印象…
前述した通り、すでにあるホテルでも、この夏のシーズンは満室でない時も普通にあったし、少し場所が悪い場所だとゲストがゼロの期間もあったようです。
果たして今から新しくホテルやゲストハウスを建てたとして、その費用が回収できるのかどうか。
ざっと見ていると、お客さんがどんどん入っているのは
昔からあるホテル、バザール沿いの立地のいいホテル、インターネットを上手に活用して宣伝し予約を受けているホテルばかり。
パソコンが得意でもない人達が、好立地とも言えない場所にこれから新しくホテルを建ててるのは、ちょっとリスクがあるのではないかな、と感じます。
仲のいい親戚も、持ってる土地にゲストハウスを建てる話が2年程前から出ているのですが、結局今まで何も着手できておらず…
これから建てようとするならば、本当に採算がとれるのか、もう一度検討した方がいいよと伝えています。
一体これまで何をグズグズしていたのか…
来シーズンのフンザ観光
とりあえず、パキスタン人国内旅行者によるフンザフィーバーは、ちょっと落ち着いてきたかな、と思うので、
来シーズンは、余程お目当てのゲストハウスがあるとかでない限り、夏のシーズン中でも事前予約をしておく必要はなさそうです。
カリマバードにあるゲストハウスやレストランは、過去にまとめ記事をアップしているので、よろしければ参考にしてみてください。
観光地化しちゃった村より、もっと静かなところでのんびりしたい…という方は、
カリマバードではなく、パスーやグルミットに滞在するのがおすすめ。
カリマバードほど商業化しちゃっていませんし、実はカリマバードよりも電気事情は良かったりします。
それぞれの村を起点に、氷河のトレッキングなんかもできますよ。
今シーズンのフンザは自然災害により電気・生活用水事情が厳しくなっただけでなく、観光客もちょっと減ってしまうと言う、ちょっと盛り上がりに欠ける年になってしまいましたが、
来シーズンは、地元の人が過ごしやすく、そして商売も繁盛するような年になるといいなぁと思います。
これから紅葉が始まるので、あと1ヶ月くらいはフンザ観光にもおすすめのシーズンです。
今シーズン最後、皆様ぜひぜひフンザへどうぞ。
カリマバードはまだまだ全然。
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お読みいただきありがとうございました!
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