こんにちは、スズケーです。
2019年2月26日付けで、日本とパキスタン政府との間で技能実習における協力覚書(二国間取決め)が締結しました。
いわゆる外国人技能実習制度にパキスタンも参加が認められた、ということです。
送出国の中では、12ヶ国目となるそうです。
南アジアでは唯一パキスタンのみが参加していませんでしたが、ついに…という感じ。
現在でさえ、不法滞在や虚偽の難民申請する人、結構いるな…と感じるパキスタン人。
外国人技能実習制度スタートで、これ以上そういった不正行為をする人が増えないといいな…と思います。ほんとに。
目次
外国人技能実習制度とパキスタン
外国人技能実習制度は「発展途上国への技術移転」を目的として1993年に創設されました。
5年間の間、日本で働きながら技能や技術を学び、それらを自国に持ち帰り経済発展に繋げてもらうのが目的です。
厚生労働省のサイトにも、今回のパキスタンとの協力覚書についてこのように書かれています。
技能実習生の送出しや受入れに関する協力内容を定めることにより、技能実習制度を通じて日本からパキスタンへの技能等の移転を適正かつ円滑に行い、国際協力を推進することを目的としています。
ただ残念ながら、日本側も外国側も、この理念通りに外国人技能実習制度を利用している人・企業は少ないのではないか、というのが私の印象。
雇用側は「外国人なら安く雇えそう」、実習生側は「日本ならたくさん稼げそう」、ただそれだけ。
結局みんな自分のお金のためだけに外国人技能実習制度を利用してはいないか?という気がします。
外国人技能実習制度と難民申請についてのことなど、以前も記事にまとめているので、詳しいことはこちらでご確認下さい。
パキスタン政府も歓迎
パキスタン政府にとっても喜ばしいニュースのようで、
在日パキスタン大使館のサイトにもこのニュースが掲載されていました。
ちょっと気になるのは在日パキスタン大使館のサイトにこう書かれていること。
will open up Japanese market for Pakistani workers(日本のパキスタン人労働者市場を開拓するだろう)
ん、いや、だからこれ、
「日本にパキスタン人労働者を送り込むシステム」ではないからね…
理念を理解されない「外国人技能実習制度」
今年に入って、こんなニュースを見ました。
愛知県の青果卸売会社と関連会社の農業生産法人に雇用されているベトナム人技能実習生21人全員が25日にも解雇される可能性が高まっている。実習生を支援する関係者への取材で判明した。21人のうち少なくとも一部は雇用契約期間途中での解雇となることから、関係者は「正当な事由なく契約期間途中での解雇はできず、不当解雇に当たる疑いがある」と批判している。
青果卸会社と農業生産法人は北海道の農家や農園と契約を結び、実習生を道内に派遣。ベトナム人21人は農作業や工場での青果選別などの作業に従事しているが、昨年12月に突然、1月25日付での解雇を口頭で通知されたという。1月8日に監理団体(愛知県にある事業協同組合)関係者、実習生が出席した話し合いがもたれた。その場で青果卸会社の担当者は「農家とのやりとりがうまくいかず、実習を受け入れてくれるところが少なくなってきた。『厳密には(借地で)農地を持っていないのに、実習生の受け入れを許可された理由が不明だ』との周囲の声もある。やっていくのは厳しい」などと解雇理由を説明した。
関係者によると、21人は全員女性。雇用期間が6カ月未満の人は6人で、昨年11月に来日したばかりの人もいる。今のところ、補償金の提示はされていないという。
昨年9月から働き始めた20歳の女性は、3年間の雇用契約で来日した。銀行や親類に借金して手数料や日本語研修費など85万円を負担した。取材に「お父さん、お母さんのために日本で稼ぎ、日本語教師になりたかった。まだ9万円しか仕送りできていない。今後どうなるのか心配だ」と涙ながらに語った。実習生を支援している指宿昭一弁護士は「大半の技能実習生は3年間の実習を前提に有期の労働契約を結び、借金して来日している。災害や倒産などやむを得ない事由でしか契約期間中の解雇は認められない」と指摘している。
青果卸会社幹部は「農場の収支が悪く、事業縮小を決めた。(実習生の)面倒をみてくれる転職先はある。賃金補償はまだ決めてないが、相談はしている」とコメントした。監理団体は「解雇ではなく実習先の異動だ。それ以上は一切お答えできない」としている。
一見「ベトナム人の実習生かわいそう」なニュースですが、私的にはあれっと思う点が。
日本政府も外国政府も制度をきちんと管理・取り締まりできていない
「銀行や親類に借金して手数料や日本語研修費など85万円を負担して来日」だそうですが…
ベトナムの場合、本来政府で決められている送り出し機関にかかる費用は3,600US$です。
しかし大体の場合、日本語教育費、寮費、制服代やスーツケース代、ブローカーへの紹介料、組合への謝礼、送り出し機関の職員に対する賄賂、保証金などの名目で料金が跳ね上がり、5,000〜8,000US$ほどの料金を徴収する機関が多いようです。
日本は相手国との協力覚書の締結の際に「保証金の徴収をしないこと」などの条件を付けているはずですが、守られていません。
この女性も85万円を負担して来日ということなので、ずいぶんと余分なお金をとられていると思います。
不適切な送出機関については日本側も確認をし、相手国政府に通知して調査・対処する必要があるのですが、おそらくこれも正しく行われていないでしょう。
双方政府の職務怠慢かと。
国の制度として大々的に行うのであれば、最低限、こういった管理はしっかりすべきではないかと思うし、まともに行うつもりがないのであれば、やるべきではないです。
参加者も単なる出稼ぎと考えている
また、「お父さん、お母さんのために日本で稼ぎ、日本語教師になりたかった。まだ9万円しか仕送りできていない。今後どうなるのか心配だ」というベトナム人実習生。
家族のために頑張っているのに…とは思うのですが、そもそもこういう考えの人を技能実習生として参加させることが、外国人技能実習制度の理念に則っていません。
外国人技能実習制度は日本で働きながら技能や技術を学び、それらを自国に持ち帰り経済発展に繋げてもらうという国際貢献の意味合い・理念で行われているものです。
今回の事件の職場なら「農業技術を学んで国に帰りたい」「農業技術を他国に伝えたい」人と職場が参加するものでしょう。
農業の分野での技能実習生として参加するのに、目標が「日本で稼いで日本語教師になりたい」では、あえて外国人技能実習制度を使って日本に来ると言う必要性がありません。
この女性は単に「日本に行く手段の一つだった」「ブローカーにお金を払えば参加できた」からこの制度に参加しただけになっています…
外国人技能実習制度は必要なのか?
日本ではマイナスニュースばかりが目につきますが、
実際のところ、外国人技能実習制度に参加した実習生達のどれくらいが、本来の理念・目的通り、日本で学んだ技術を母国に持ち帰り、有効に活かしているんでしょうか?
外国人技能実習生として日本に来て、
酷い扱いを受ける外国人が増えるのも、何も問題ないのにお金のために嘘の難民申請する外国人が増えるのも、もうたくさん。
日本側も外国側も参加する人・企業の多くが外国人技能実習制度の理念を理解せず、国際貢献に繋がっていないのならば、こんな制度やめた方がいいのではと思います。
外国人技能実習制度は、出稼ぎではなく技術留学
日本では「国内の人手不足の解消」、外国では「日本の労働者市場の開拓」なんて言われていますが、そもそもこの制度を「労働制度、就労制度」のように考えるのがおかしい。
外国人技能実習制度の理念をきちんと理解すれば、これは政府の支援する「出稼ぎシステム」ではなく「技術を学ぶ留学システム」であるということはわかるはずだし
外国人技能実習制度に参加する国・企業・外国人はそれをきちんと理解・説明すべきです。
例え少しお給料がもらえるのだとしても、外国人技能実習制度はあくまでも「日本で稼げる」ではなく「日本で学べる」のだと説明し、「留学」なので自費負担部分もあると、もっと明確に伝える必要があると思います。
そうすれば「日本で稼いで家族に仕送り!」なんて人も減るのでは。
そして日本政府も日本の参加企業側も「外国人技能実習制度で人手不足解消!」なんて安易に考えるべきではないと思います。
人手不足解消に外国からの働き手が欲しいなら、また別のシステムを考えるべき。
外国人技能実習制度は本来理念が異なるもののはずです。
今回の外国人技能実習制度へのパキスタンの参加で、
不正に日本に滞在し、お金を稼ごうとするパキスタン人が増えないといいなぁと切に願います。
2019年10月、 日本がパキスタンから熟練労働者の大量雇用を予定しているというニュースが入りました…
外国人技能実習制度の不備も改善されていないのに新しい制度を導入しようとか、ちょっと順番おかしいんじゃないでしょうか。
お読みいただきありがとうございました!
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2025年には日本人の3人に一人が65歳以上、一説には介護従事者は50万人が不足しているとも言われている。
どんなに一生懸命面倒を見ても、昨日までできていたことが翌日にはできなくなり、最後には死んでしまうという介護は過酷な仕事だと思う。
ゼロから何かを作り上げていく製造業や建築業、回復して元気になっていく医療とは真逆の世界。ナチスの拷問で穴を掘っては埋めさせるというのがあったらしいが、死を看取り続ける仕事はやはり精神的につらい。
きの業界なので、経営者はともかく、構造的に労働者が高収入になるのも難しい。日本の若者が敬遠するのも理解できる。
ちなみに人生で優先するのはカネだけという中国人にとって介護の仕事は不人気だ。製造業や建設業と違い、現場叩き上げで大金持ちになる可能性が低いからだろう。
しかし、この業界にいる日本人に聞けばきつく汚い仕事内容が嫌で辞める人は少ないらしい。むしろ介護業界の女性を中心としたドロドロとした人間関係が退職の原因と聞く。
何はともあれ人不足かつニーズの高まる業界なので、介護で外国人が大量に必要なのは間違いない。ただ、フィリピンでも日本でも外国人労働者を管理してきた経験から言えば、トラブルは覚悟しておかねばならない。けしてバラ色ではないという認識が必要だ。
はっきり言っておこう。間違いなく起きるのが要介護高齢者相手の「虐待」と「殺人」の多発だ。
特に中国とベトナムはやる奴が100%出てくる。10人や20人受け入れたぐらいならでは大丈夫だ。だが、数万人が入ってこれば民族的な性質から言って必ずやると言って良い。
日本でも時たまこういう事件は起きているが、外国人労働者の頭のおかしい奴の割合は日本の比ではない。10万人単位で外国人介護者を受け入れれば毎月のように起きるだろう。「またベトナム介護士が殺人」という見出しが新聞に躍る覚悟は必要だ。
http://www.asahi.com
とはいえ、50万人足りないのだから、他に選択肢はない。「どうやって受け入れるか」と話し合うべきなのだ。だが、それと同時に「事件が起きた後にどうやって対処するか」を準備しておくべきなのだ。
だが、国は「外国人による介護現場の殺人事件は必ず起きます」とは言えないので、この面の準備は全くと言って良いほどない。
それではなぜ、殺人が起きると言い切るのか?ベトナムの実習生を見てきた経験から分析しよう。
ベトナム人全般に言えることは「納得して担当した仕事は一生懸命やるのだが、自分の仕事に線(リミット)を引きたがる」傾向が強いということだ。特にカネを増やさずに仕事だけを増やされることに対する彼らの嫌悪感は日本人の理解を超えている。
「AさんBさんCさんはグエンさん(仮名)の担当ね」と決めたとする。グエンは間違いなく一生懸命面倒を見るだろう。だが、ここで日本人が辞めるとか、諸事情により「ちょっとの間、Dさん、Eさんも面倒見て。お願い!」という状況になるとたちまち問題が起きる。
ベトナムや中国人は「ワタシの負担が増えるなら、いくら給料が増えますか?」と言ってくるのだ。実際に言わなくても頭の中はそう考える。
第一、介護なんて大家族の発展途上国には存在しないマイナー産業なのだ。面接では「ワタシはおじいさんが大好きです。カイゴがんばります」なんていうが、大嘘である。
外国人労働者は介護の仕事なんか見たこともないし、愛着も誇りもない。日本にはカネがもらえるから来ているだけだ。
しかし、担当患者が増えたらかと言ってしょっちゅう給料を増やす日本の介護施設はない。お互い様&助け合いで頑張るのが日本人だからだ。
だが、拝金主義が横行する彼の国で育った彼らからしたら、家族以外に愛着も信頼もない。カネが増えないなら押し付けられた日本の爺さん婆さんがどうなろうと知ったことではない(ちなみにフィリピン人は優しいのでここまでひどくはない)。
畢竟(ひっきょう)、「カネが増えない?なら負担を減らそう」と頭が回る。
ないなら押し付けられた日本の爺さん婆さんがどうなろうと知ったことではない(ちなみにフィリピン人は優しいのでここまでひどくはない)。
畢竟(ひっきょう)、「カネが増えない?なら負担を減らそう」と頭が回る。
おそらく、最初はバレないように手を抜き始めるだろう。例えば身体を3回拭いていたところを1回にしたり、日本人監督者から見えないところは汚れたままほったらかす、などだ。
だが、ここで日本人監督者が気づかないなら、もっとエスカレートする。どんどん雑になり、そして最後は死亡事故につながるのだ。事故ではなく、わからないように意図的に殺してしまうケースも必ず起きるだろう。
彼らの頭の中はわかる。「だって給料増えないんだからやるだけムダ」。
「ひどい」「そんなことはしないハズ」なんて考える人は外国人実習生など労働者を使った経験のない人だ。同じ現場で肩を並べて仕事したことがあるなら必ず肯くであろう。
ちなみにベトナムでは病院も賄賂しだい。看護婦や担当医に賄賂をわたさないと、ナースコールを無視されたりするらしい。ひどい時は注射を痛くされるとか…!地味に嫌である…。
担当が増えれば、歩合=賄賂が増えるのが彼の地の医療文化なのだ。カネが全て。
だが、なんども言うがこんな犯罪者予備軍が混じっていても受け入れるしか選択肢はない。
対策としては、人の命のかかる介護現場で手を抜いた外国人は、解雇&ビザ取り消しによる即時強制送還処分を科すこと。これが最低限必要だ。不当解雇なんて言わせてはいけない。転ばぬ先の杖は日本から叩き返すことだ。
あとは、多発する訴訟に備えて病室内の監視カメラの設置義務と賠償保険を充実させることだろうか?「外国人医療事故保険」みたいなのを国で用意し、介護の特定技能ビザで来日する連中に無条件で負担させるべきだ。
誰も口にしないが、特定技能ビザで犯罪と訴訟が増えるのは間違いないのだから、合理的にそれに備えねばならない。
お金を稼げるのはパキスタンだけですか?
QURAT ul Ainさん
ここまで調べて長々と語りたいのでしたら
ご自分のブログなどを立ち上げてみることをおすすめします。