こんにちは、スズケーです。
日本政府は正気なの?
とマジで問いたいニュースを目にしました。
日本はパキスタンから、熟練労働者の大量雇用を予定しているんだそうです。
目次
日本がパキスタンから熟練労働者の大量雇用を予定
私は先ほどリンクをしたパキスタンのニュースで知りましたが、
「日本はパキスタンから熟練した人材を雇用し、人口減少に対応するために就労ビザを提供する」と在パキスタンの日本大使が声明を出しているそうです。
ニュースによると、声明は以下の通り。
在パキスタン日本大使の声明(GEOニュースより)
私たちはパキスタンの熟練労働者の就労ビザを新たに開こうとしている。
日本は日々人口が減少しているため、熟練した労働者が必要で、パキスタンの熟練労働者を適切な数で雇用する予定。
パキスタン政府と1カ月以内にMOUに署名し、パキスタンの熟練労働者が日本で無期限のビザを取得できるようにする。
現在は何千人もの熟練労働者の雇用について、パキスタンと話し合っているところだとか。
一ヶ月以内には、両国間でこれに関する覚書に署名がされることになりそうです。
熟練労働者の雇用はパキスタンからだけではなく、他国からも行う予定だそうですが、パキスタンは日本が労働者を採用する予定のある上位10カ国のうちの1つとなっているそうです。
「日本で働くパキスタン人は非常に献身的で誠実で熟練している」と日本大使は賞賛しているのだとか。
建設、介護、農業、製造、光工学など、14の異なるセクターで外国人向けに労働市場を開くことが決定しています。
ただ、この雇用制度を利用するには日本語の習得が必須とのこと。
また、ビザを取得し、日本で5年間働いた後は、家族を招聘することもできるようになるようです。
外国人技能実習制度で浮き出た問題は解決されるのか?
外国人技能実習制度の上位版、という感じでしょうか。
外国人技能実習制度は「海外から日本に来て専門技術を学び、技術国に持ち帰って還元してください」という制度。
簡単に言えば、安いけれどお給料ももらえる技術留学制度。
今回のは「すでに熟練した技術を持っている外国人は、日本に来て専門分野で即戦力で働いてください」という制度。
外国人技能実習制度では5年間という期限が定められ、その期限内で技術を習得し、母国に帰って技術を国の経済発展に役立てて…という、
期限付き・帰国ありきの制度でしたが、
今回は無期限で、しかも5年後には家族を招聘できるという、それはそれは恐ろしい、パキスタン人による日本制圧計画か?的な内容になるようです(雇用対象はパキスタン人だけではないようですが)。
外国人技能実習制度に関しては、以前一度記事を書いていて、私なりにこの制度に関して思うことや問題点についてまとめています。
ザックリ挙げると、外国人技能実習制度にはこのような問題があります。
- 日本の雇用側は「外国人なら安く雇えそう」、外国人実習生側は「日本ならたくさん稼げそう」と思って制度を利用しているだけで、日本で技術を学んで母国の発展に役立てると言う理念通りに外国人技能実習制度に参加している人・企業が少ない
- 思い通りに稼ぐことができなかったり、思ったより仕事が厳しかったりすると、逃げて難民申請をする外国人が多数いる
- 文化の相違などによる衝突もあり、外国人にツラくあたる雇用者がいる
- 中間機関が不当な手数料を取り、搾取している
多分これらの問題は全て、今回の案件でも起きうること。
2の難民申請に関しては、外国人技能実習制度は働ける期間に限りがあったことも、虚偽の難民申請者を増やすことに学者をかけていたと思いますが、
今回の場合は「無期限で働ける」とのことなので、外国人技能実習制度の利用者よりは減るかもしれませんが、
例えば、介護や農業などの仕事で来日し、思ったより仕事が厳しいので他の業種に職替えしたいと思った時に虚偽の難民申請をする…というケースがないとは言い切れません。
また、上記の問題に加え今回の場合、5年後には家族を招聘できるようになるため、1人の労働者に対して十数人の家族が日本にやってきて不法に仕事を行う…なんてことも出てくる可能性があります。
そもそも、外国人技能実習制度で出ている様々な問題は何も解決していないし、適切な対応もされていない。
それらが放置のまま、何の解決もされていないのに、
また新たに外国人労働者を受け入れる制度を作ろうとするとか、普通に考えたらおかしい。
現在のビザの発行状況と政策が矛盾している
みなさん何となくご存知の方も多いかと思いますが、
パキスタン人は日本の短期滞在ビザ(観光ビザ)や就労ビザをを簡単に取得することはできず、審査や条件がとても厳しくなっています。
これまでに、そして現在も、
日本で不法滞在(オーバーステイ)したり、観光ビザで入国した後にすぐに虚偽の難民申請して不正に働いているパキスタン人が多く、
パキスタン人に対する信用がない、というのがその原因かと思います。
実際、不法滞在や虚偽の難民申請をしているパキスタン人はあちこちにいて、10人集まれば過去の経験者も含めて一人くらいいるんじゃない?っていう気が。
もちろん日本政府だってそれらのことは重々承知しているはず。
だからこそ、パキスタン人が日本に来るのは難しい。
なのになんなんでしょう、今回の政策。
今のパキスタン人へのビザ発給の厳しさに、全く矛盾する行為では。
パキスタンが他国で違法・不法滞在する人が多い国だということは、日本政府もわかってるはずなのに、パキスタン人に無期限ビザを発行し、最終的に家族も呼べるようにするとか…
本当に、日本政府はお馬鹿さんなのでしょうか。
献身的に働くのはパキスタンに帰るよりマシだから。パキスタンに帰るより稼げるから。
「熟練労働者を受け入れる」ということだけど、
現在の技能ビザだって、どれだけの人が職歴や資格など、経歴詐称して申請しているかわかってる?
経歴の詐称なんか簡単にできる。
こういったことを全く考慮していないのだとしたら、この案件に関わった日本の政治家・官僚は頭の中がお花畑だし、
こういうことがあるのを知っているのにこの案件を進めようとしているのであれば、頭がおかしいのか裏でなんかお金とか利権が絡んでるのかと思ってしまいます。
恐らく外国人技能実習制度と同様に、送り出しや受け入れをサポート・仲介する機関もパキスタン側と日本側に設立されるでしょうから、実際に、金や利権も絡んでるのでしょうね。
外国人技能実習制度の時同様、変なブローカーも生まれてその方々もウハウハでしょう。
一部のお役人とずるい人だけだけが潤う、善良な庶民には大変羨ましいシステムです。
クソッ、この案件に関わったやつ全員、天からの硫黄と火によって滅ぼされよっ。
パキスタン人労働者は来るのか?今後が気になる
本当に、きちんと熟練した技術を持った方々が、きちんとした志や目標を持って日本に来て働くのであればもちろんそれはウェルカムだし、
日本で働いてお金を得たいパキスタン人と、労働力の足りない日本の思惑が合致するわけで、合理的なシステムであるとは思う。
でも絶対、経歴詐称で対した技術がない人が来たり、彼らの家族が押し寄せたり、新しい中間ブローカーが発生したりと、問題の方が増えてくる。
私はパキスタンも、パキスタン人も好きだし、友人もいっぱいいるけれど、
だからといって不正に日本に来る人がいることや、日本で働いているのに日本をとことん馬鹿にしていたり、日本で犯罪行為をすることをいいとは思ってないし、
そういうやつらは全員滅せよと思ってる。
まともな人達にとことん迷惑。
「絶対嘘だろ」みたいな内容でみんな難民申請しています。
パキスタン人のビザブローカーをしてる方も知っていますが、1名あたり100〜150万円の手数料で日本に招聘してるんだそうです。
この案件に関することは、パキスタンのニュースでチラッと出ていただけでほとんど情報がないため、
一体どのような内容で覚書が作成されるのか、そして実際にどのような形で施行されるのか全くわからず、もんのすごく不安です。
多分このまま、日本ではさほど報道されぬまま、決まっていってしまうんでしょう。
日本で情報公開を待っていても遅いので、しばらくはパキスタンのニュースも気にしてチェックしたいと思います。
日本では報道されていないのではないかと思いますが、このパキスタンから熟練労働者を日本で雇用するという話、2019年5月から話が出ていたようです。
5月の時点では「日本で働ける期間は5年間、家族の同行はできない」となっていましたが、最終的にはどうなるんでしょう?
パキスタン以外の対象国はフィリピン、カンボジア、モンゴル、ミャンマー、ネパールなど。
他の国に関しては知らないけれど、ネパールも偽称難民申請してる人がとても多い国の一つですし、最近は「ロイヤル蒲田ボーイズ」「東京ブラザーズ」などという恥ずかしい名前の不良グループが組織されていたりします。
日本政府は、そういった人が多い国から人を雇用することのリスクについては考えているんでしょうか?
追記:2019年12月23日に、特定の熟練労働者のための協力覚書に双方政府が署名
2019年12月23日、正式に「特定の熟練労働者」のための協力覚書に日本政府とパキスタン政府が署名を行いました。
熟練労働者は最大5年間滞在可能で、家族を招聘することもできるそうです。
在パキスタン日本大使館のサイトに、英語でのみニュースが掲載されています。
パキスタンから熟練労働者の大量雇用する件に関して、日本語での情報公開を一切してないのはわざとなんでしょうか?
日本は今後5年間で34万人の外国人熟練労働者を雇用する予定だそうです。
詳細は別記事でまとめていますので、そちらでどうぞ。
お読みいただきありがとうございました!
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治安、旅行ガイド、両替やATM、フンザへの行き方など、ブログ内のパキスタン旅行や滞在に関する必要情報・便利情報をまとめた目次(サイトマップ)です。
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外国人実習制度は現代の奴隷制度で海外から避難を浴びている制度です。
あなたは働きに行くパキスタン人を悪く書いていますが、実際に被害に合うのは外国からの実習生で毎年多数の自殺者が出ています。
外国人実習生を使う企業で正当な賃金を払っている企業は3割もいません。ブラック企業です。
dさん
まずこの記事では、「技能実習」制度についてメインで取り上げているわけではなく、
「特定技能」に関するニュースに関して取り上げています。
「技能実習」に関しては別記事をご確認下さい。
https://suzukikeiko.com/pakistan/various/chink-in-the-law/
また、私は「不正なく働きに来るパキスタン人」を悪く思ってもいませんし、書いてもいません。
きちんと文章を読まれた方にはご理解いただけていると思いますが、
技能実習や特定技能の制度を都合良く利用して
法外な中間マージンを搾取するブローカー、
来日後に虚偽の難民申請をして別に働こうとする外国人、
単に安く働けるから安易に外国人を雇用する企業、
などの問題についての懸念がある、という話をしています。
技能実習制度に関してはどっちもどっちで、一方のみが悪いとは私は思いません。
パキスタンにお住まいだったりするとパキスタン人のフォローをしたくなる気持もわからなくもないですが、
実際、観光ビザなどで日本に来て虚偽の難民申請を行って何としてでも日本に滞在して働こうとするパキスタン人も多く、
私はそういうケースに携わっていることもあり「また不正に利用されるんだろうな」という懸念はどうしても出ますね。