こんにちは、スズケーです。
外国人実習生が酷い扱いを受けているというニュースを最近よく見かけます。
例えばこの方の記事には、
日本で頑張る外国人技能実習生、日本でひどい仕打ちを受ける外国人技能実習生に関する記事などがたくさん掲載されています。
でもこれもやっぱり、先日アップした「ムスリムの現実」に関する記事同様、
足りないなぁ、と思う。
結局この記事からも、問題の一つの側面しか見えてきません。
私は、外国人技能実習生の問題は、日本側だけでなく、
利用する外国人側、送り出す外国の機関側にもあると思っています。
私は難民申請をするパキスタン人に関わるお仕事を時々しているのですが、
外国人技能実習生はこの制度だけの問題ではなく、難民申請の問題にも大きく関わっていると感じます。
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今回の記事、在留資格やビザについてしっかり理解しておくとよりわかりやすいかなと思うので、
お時間があればこちらの記事もあわせて読んでいただくとよいかと思います。
目次
外国人技能実習制度
外国人技能実習制度は「発展途上国への技術移転」を目的として1993年に創設されました。
3〜5年間の間、日本で働きながら技能や技術を学び、それらを自国に持ち帰り経済発展に繋げてもらう。
こういった国際貢献の意味合い・理念を持つのが外国人技能実習制度です。
残念ながら現状は、外国人技能実習生を雇う日本企業側も、日本で働く外国人技能実習生側も、そういった理念などまるで無視して、
お互いに「お金のため」にこの制度を利用しているところが多いです。
劣悪な環境の職場だけではない
最近のニュースでは、とにかく、劣悪な環境で働く外国人実習生の事がクローズアップされていますが、
当然ですが、日本の法律に基づいて日本人と同じ条件で雇用をし、慣れない日本で大変な思いをしないようにととても心を砕いて外国人実習生に接している日本の職場ももちろんあります。
私には、家族経営の会社で、外国人実習生を雇っている友人がいます。
その職場では外国人実習生にも、日本人と同じ賃金、労働時間、環境を提供しています。
お休みの日には希望する人たちと一緒に観光したり、遊びに行ったり、ちょっとしたお食事会をしたりと、外国人実習生の方も楽しそうに仕事をしているようでした。
でもそんな職場でも、ある日突然、外国人実習生が消えて、難民申請してたりします。
多分より長くよりたくさん稼げるように。
その後彼らは「技能の習得」なんて全く関係のない、コンビニや飲食店のバイトを掛け持ちするなどして、とにかくお金を稼ごうとします。
最初から技能の習得とかはどうでも良くて
「お金が入ればなんでもいい」というつもりできてる外国人もたくさんいるのです。
みんなとにかくお金を稼ぎたい
私の周りには
- 外国人実習生雇ってる側の人(とても環境良い)
- 実習生で来たけど行方くらまして嘘の難民申請してる人
- 実習生になって日本来て稼ぎたいと検討中の人
がいます。
行方をくらまして嘘の難民申請してる人や、
実習生になって日本行きたいと今まさに息巻いてる人は
「技能を身につけたい」「国に技能を持ち帰りたい」という考えは一切なく、
「一時的でもいいからとにかく日本で働いて金が欲しい」と言っています。
彼らは、日本で技能を身につけて母国に還元するという考えなど、最初から全く考えていないそうです。
酷い環境で実習生を使ってるところは私の知り合いにはいませんが、
外国人技能実習生を雇う場合、
日本人と同じ雇用条件じゃないといけないし、斡旋機関にそれなりにまとまった金額のお金も払わないといけないしで、
きちんと法を遵守して制度を利用すると、実はかなり費用がかかるんだそう。
やり始めてから「思ったのと違う、金がかかる」となり、
イライラを実習生にぶつけたり、
外国人だからわからないだろうと残業手当を支払わなかったり、必要以上の経費をさっ引いたりするのかもしれません。
受け入れ事業所の7割以上が法令違反をしていると言われています。
最大の問題は、日本の受け入れ先と外国人実習生のいずれも
「日本で技能を身につけて母国に還元する」という、外国人技能実習制度の理念に共感した上で参加してる人・事業所が少ないこと。
「外国人なら安く雇えそう」「日本ならたくさん稼げそう」 みんな自分のお金のことばっかり考えてこの制度を利用しています。
単に自分が金銭的に利益を得たいだけならば、こういう理想的・綺麗事の理念掲げてる政府の制度なんか使ったらダメだと思います。
自分の頭使って、どうしたら稼げるのか最善の方法を考えるべき。自分で動かないと、他力本願じゃ気持ちよく稼げません。
理念に共感した一部の心ある受け入れ先や研修生さんが、
自分の利益しか考えないところにマッチングされてしまうと、ニュースになっているような悲劇が起きてしまいます。
日本も、研修生派遣国も、企業や人を、もっとちゃんと確認して参加して大丈夫か判断しないとダメ。
研修生派遣国に関しては、そもそもこの制度を紹介したり参加手配させるためのブローカーが存在している時点で終わってますし、なぜそれを取り締まらない・取り締まれないのか謎です。
ちなみに南アジアの国では、パキスタンのみこの外国人技能実習制度に参加していません。
パキスタンが参加希望してないのか、日本が拒否ってるのか…
パキスタン人の不法滞在者の数を考えると、日本が拒否してる気もしないでもない(笑)
2019年2月26日付けで、パキスタン政府との間で技能実習における協力覚書(二国間取決め)が締結しました。
いよいよ、技能実習制度にパキスタンも参加です。
…不法滞在や虚偽の難民申請するパキスタン人が増えませんように。
難民申請
日本は難民認定数がとても少なく、難民に厳しい国だと言われています。
が、果たして本当にそうなのか。
年々増加する難民申請者
法務省発表の資料によると、
平成24年の難民申請者数は2,545人であったのに対し、
平成28年は10,901人、平成29年は19,629人と、脅威のペースで数が増えています。
難民申請者数の9割ほどは初めて難民申請を行った外国人ですが、残り1割は複数回の申請をしている外国人です。
難民じゃない難民申請者
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がプレスリリースしている「世界で避難を余儀なくされている人の多い上位5カ国」は
- シリア
- コロンビア
- アフガニスタン
- イラク
- 南スーダン
だそうです。
しかし、日本での難民申請の多い上位5カ国は
フィリピン、ベトナム、スリランカ、インドネシア、ネパール…
本当に難民としての立場が必要なのであろう避難を余儀なくされている人が多い上位5カ国と、
日本に難民申請している上位5カ国は一カ国も重なっていません。
世界で避難を余儀なくされている人の多い上位5カ国からの日本への難民申請数は
20〜30件程度なんだそうです。
日本での難民申請の多い上位5カ国の
フィリピン、ベトナム、スリランカ、インドネシア、ネパールは、
外国人技能研修生として日本に来る人が多い国でもあります。
難民申請をしている人のほんとんどが、
短期滞在、技能実習、留学など、正規の在留資格を持っている状態で難民申請をします。
半分以上が短期滞在(観光)からの難民申請ですが、技能実習を持っている人は難民申請者数の15〜20%程を占めます。
そして、難民申請者の中には、難民じゃない外国人がとても多く含まれているのです…
最初に書いた通り、日本は難民認定数がとても少なく、難民に厳しいと言われますが、
「本当は難民ではない外国人からの難民申請が多く、難民と認定する事ができない」
というのが現実です。
外国人にとっては、難民申請中=難民ビザという認識
本来難民認定申請は、母国で内戦や紛争が起きている、人権迫害を受けているなど、本当に困っている人が行うべきものであり、日本で働いて稼ぎたいだけの外国人が行うものではありません。
よく「自分は難民ビザで日本にいる」と言っている外国人がいますが、
日本の年間の難民認定数を考えれば、本当に難民認定された方はそうそういるはずがありません。
また実際には「難民」という在留資格はありません。
難民認定されると、在留資格「定住者」と同等の在留資格が与えられます。
外国人の言う「難民ビザ」は俗語で、
難民ビザを持っていると自分で言う人は、難民認定されたのではなく「難民申請中」なだけです(在留資格は「特定活動」になります)。
みんな虚偽の内容で難民申請をして、申請中に日本で稼いで国に帰ります。
難民申請は、申請して6か月経つと入管で就労申請ができます。
就労申請が許可されれば合法的に日本で働くことができます。
難民申請は結果が出るまでに時間がかかりますし、難民申請が不認定となっても再審査請求や再申請ができるため 「嘘でもいいから難民申請しているだけで、日本にいて働ける」のが今の日本の難民申請制度です。
このため、虚偽の難民申請をして日本で荒稼ぎする外国人が後を絶ちません。
難民申請中でも社会保険の加入もできます。
また、審査に通れば難民申請中の人に対する保護費の支給もあります。生活費や家賃、光熱費、医療費が支払われます。
もちろんこれらは全て、日本の税金でまかなわれています。
こういった問題は当然日本政府も把握しており、
今年から難民認定を迅速にすると見直しがされましたが、実際、処理時間はどれくらい短縮されたのか…?
まだまだ「難民ビザ」で日本で働く外国人はたくさんいます。
例えれば、私が「山口組に命を狙われてる」って言ってるようなもんです。
アンタ、タリバンに狙われるほどそんなすごい活動してる人なの?って突っ込みどころ満載です。
搾取される外国人ばかりじゃない
日本には、外国人技能実習生の問題で出てくるような弱い立場の外国人だけでなく、
難民申請を悪用するような、狡猾な外国人もたくさんいます。
外国人を奴隷のように扱う日本人も、 日本を単なる金稼ぎのための場所と見下す外国人も、どっちもどっちです。
どっちも消滅したらいいのに。
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法整備・法改正で変わるのか?
現在も、外国人ということで日本人と賃金などの雇用条件に差をつけてはいけないと法律で定められているはずですが、残念ながら守られていない事が多いです。
どんなに法整備をしても、人の意識が変わらない限り改善はされないでしょう…
法律があっても、なにもならない
うちの旦那は日本に来てから3年くらいの間、外国人専門の派遣会社から派遣社員として工場で働いていました。
その後、その工場から正社員にならないかと声をかけて頂き、今は同じ工場で、正社員として働いています。
派遣社員として働いていたとき、派遣会社の方に有給休暇の話をしたら
「有給休暇なんかとったらクビになるかもしれないよ」と言われました。
有給休暇は規定の勤務条件を満たせば派遣社員でも取ることができる、労働者の正当な権利のはずです。
でも、有給休暇を欲しいと言ったらクビになるかもしれないと言われる。
おかしい話ですが、諦めるしかありませんでした。
「有給は正当な権利だから強く主張するべき」と言う人もいるし、これを言われたのが私自身のことだったら、どれだけ言われようと、揉めようと、クビになろうと、絶対有給休暇をもぎ取ります。というか、そんな職場こっちから願い下げです。
でも、外国人の場合は、そんなに簡単な問題でもないのです。
例えば法に訴え争うにしても、結果が出るまでには時間がかかります。
勝訴したとしても、派遣社員なので相手はいつでも契約を切る事ができます。
仕事を失ったとして、今より良い条件の仕事が見つかるのかわかりません。
クビになった後に仕事が見つからなければ生活ができません。
1つの理不尽な事を我慢すれば、少なくとも今の生活はキープできます。
「有給休暇は貰えない」を受け入れざるを得ませんでした。
日本で働くのに制限のない配偶者ビザを持っている外国人で、
結構うるさい日本人の妻があれこれ訴えてもこうです。
スキルも何もない外国人は、外国人というだけで、
仕事を選べる立場ではないし、選べる余地もないのです。
法律がどんなに整備されても、その力は末端の人間まで届かない。
特別な技術がなく仕事を選べない立場の外国人は、理不尽な事でも受け入れていくのがその時の最善策である場合もあります。
法律とともに、外国人労働者側・雇用側の意識の改善を…
幸い派遣先の工場は良いところだったので、正社員になった今では、全て日本人と変わらぬ条件で雇ってもらっています。
勤務年数が少ないので、同年代の人よりはお給料は安いですが。外国人云々ということで差別されてる感じはあまりありません。
こういう「外国人を日本人と変わらぬ扱いをしてくれる気持を持った人・会社」が増えない限り、どんなに法改正・法整備をしたって外国人の労働環境は絶対変わらないです。
残念な事ですが、現場の事は、実際には法律じゃどうにもならない。
「同じ条件ならば、感覚も同じ日本人を雇った方がいい。感覚が違って説明も大変なんだから、外国人なら安く雇いたい」って思う、雇用側の気持もわからなくもないですけど。
やっぱり外国人と生活をするって、それなりに大変ですし、
日本人と違って簡単に休むし、無断で突然こなくなったりするし、お願いした仕事を全くやらない人もいたりするし…
外国人労働者側も、自国で働くのと日本ではたらうのは、ちょっと違うんだよって意識を、もう少し持った方がいいと思います。
外国人技能実習生と難民申請はセットで考える
劣悪な環境で働く外国人実習生、虚偽の難民申請をして日本で働く外国人。
ニュースでは、それぞれ別の問題としてどちらかずつしか紹介しないため、問題がより曖昧になってしまいがちですが
外国人実習制度と難民申請の問題は、セットで考え、対処して行くべき。
個人的には、難民申請の法の穴をどうにかするのが先決と思っています。
不正して働いて稼げない環境を作らないと
「困ったら難民申請すればいい」と思って日本に来る外国人労働者が増える一方です。
現在の政府からは
- 技能実習生としての5年間のあとに更に5年の在留資格を与える
- 特定技能(仮称)という人手不足解消の新しい在留資格を設ける
などの話が出ていて、早ければ2019年の4月にも施行されるかも、ということですが、
今現在も「難民ビザ」で、実質的に外国人は日本で仕事ができているわけで、
これらの政策が日本の人手不足を解消するとはちょっと思えないし、
新たな難民申請者を増やすだけのような気もします…
日本の外国人労働者問題。
人々の意識が変わらない限り、ずっとこのままなんだろうな〜と思います。
そのため私も、その関係のお仕事が回ってきたりするんですけど、国際的には、できればない方がいいお仕事ではあります。
ちなみに、パキスタン人を日本に呼ぶ短期滞在ビザ(観光ビザ)は、
招聘人の身元がはっきりしていて、書類さえきちんと集まっていれば
ここ最近は、比較的ちゃんと出るみたいです。
あ、日本に来たあと不法滞在したり、虚偽の難民申請をしないようにね…
招聘者にも迷惑かかりますよ。
2019年10月、 日本がパキスタンから熟練労働者の大量雇用を予定しているというニュースが入りました。
外国人技能実習制度の不備は何も改善されていないのに新しい制度を導入して大丈夫なのか?
お読みいただきありがとうございました!
コメント欄はちょっと下にあります。承認式ですが、コメントはお気軽にどうぞ。
パキスタン、フンザ旅行に関する情報記事の一覧はこちらから!
治安、旅行ガイド、両替やATM、フンザへの行き方など、ブログ内のパキスタン旅行や滞在に関する必要情報・便利情報をまとめた目次(サイトマップ)です。
デザイナーとライターをしています。お仕事のご依頼やご相談もお気軽に。
こんにちは。いつも楽しく拝見しています。
難民申請の取り扱いについては1月に改正されてから
以前のようにザルもいいとこレベルよりは多少はマシに
なったような気がしています。
私の周りの偽難民申請者は続々と日本人と結婚して
配偶者ビザ申請に切り替えてますので、厳しくなったんだなあと
いうのはなんとなく肌で感じます。
っていうか、民主党政権発足よりも前に戻ったような感じかな。
有給は来年4月から(だったかな?)雇用者側が計画性をもって
従業員に取得させることが義務化されます。
取得可能日数の半分くらいが目安になるようです。
どれくらい守られるかは始まってみないとなんともですけど。
ロータスさん
コメントありがとうございます。
虚偽の難民申請をしている方が、平行して婚活してるのも昔からの事ですね!
合法的に滞在して仕事するには、難民申請するか結婚するのが手っ取り早いため、
どうせなら平行して活動するのが合理的ですしね。
だいぶ前から難民関連のお仕事をいただく事があり、ちょくちょく携わっていますが、
今年に入ってからも、
申請から1年以上経っても結果が出ない人もまだ普通にいますし、
5年経っても結果が出てない人もいます。
残念ながら、処理が早くなっているとはちょっと思えないですね…